2014年12月02日

「どらくま」 第壱話 感想




マッグガーデンの公式サイトで「どらくま」第1話が無料で読めます!

この記事を偶然読んでいる方は、ぜひ本編を読んでからどうぞ。
何なら、この記事を読まなくていいので本編は読んでください。


「勝っちまおう 名前も知らないあの子のために……」


戸土野正内郎先生の新連載「どらくま」が月刊コミックガーデンでついに始まりました。
「イレブンソウル」完結から新作を待ちわびていたので、雑誌の連載で追いかけます。できれば、完結まで1話ずつ感想を書いていきたいところです。

○戦国の世の終わり

「どらくま」の舞台は、戦国時代が終わり、徳川によって日本が治められて間もなくの頃。
ということで、「悪魔狩り」「イレブンソウル」とは違って、作品世界が完全な創作ではないということで、史実をどう絡ませてくるか楽しみです。
と言っても、学校で習った程度の知識しか無く、それもほとんど忘れてしまったのですが……。
ラスボスが魔人徳川家康とかそんな感じだと予想しておきます(雑すぎる)。


○不惜身命-アケロン-

第1話のサブタイトルは上記のものです。
今回もサブタイトルがイレブンソウル方式(最低でもダブルミーニング)のようで、これは考えるのが楽しいです。
「不惜身命(ふしゃくしんみょう)」は四字熟語だそうで、国や君主の為に身体や命を惜しまないこと、という意味らしいです。
(大獄丸か、いさな姫(仮)のことを上手く表しているよくできた造語だな、と思ったのは秘密。)
もう1つのアケロンは(聖闘士星矢で何となく知っていましたが)、生者の魂が渡る冥府の川のことだそうで。川で何人か死んでいたので、そのことでしょうか。
……絶対に違うんでしょうけど、上手くハマっている描写を見つけられませんでした。
あ!徳川を川と見立てて、刃向う物は冥府の川を既に渡っているよ、というのはどうでしょう。で、九喪や源四郎は逆にその川を渡ってくる、的な。
うん、駄目だなこれは。

対義語に可惜身命(あたらしんみょう)という言葉があるそうで、第1部の最終話かどこかで使われるんでしょう(イレブンソウル脳)。


○これぞ戸土野作品!

さっそく1話から展開もキャラクター同士も裏切りが連続で起きていて、戸土野作品を読んでいる!と実感できました。
加えて、作画、作劇の緩急の付け方は更に磨かれた感じがします。
(前作はロボット対巨大生物だったので、画面が大味になっている所もあったのかもしれませんが。)
ページをめくったら突然刺されていたり、内臓をぶちまけて死んでいるのは心臓に悪いですけど、戸土野先生の間の取り方は大好きです。

読み返すと、いさな姫(本物)と(仮)のトリックがちゃんとわかるようになっていたりと、やはりスルメ漫画だなと。
それと、展開の裏切りだと、刑部が憤死する流れは、刺されて終わりでいいのにそこまでやるか!とニヤリとしたし、亮介くんを思い出しました。彼は結局どうなったんだろう…。

あと、刺されたら強者でもちゃんと痛がったり叫んだりするのを見ると、これまた「これは戸土野作品だ!」と嬉しくなります。(乃木さんが「ぶふぉ!」とか言うのも人間らしくて大好きです)

それはそうと、じいさんズの名前に「五」「六」「八」が入っていて1個のコマで名前を呼び合っているのはファンサービスなんでしょうか。


○主人公①・真田源四郎


前作「イレブンソウル」の最終話1話手前で消えた真田隊長、実は「どらくま」の世界にタイムスリップしていたんですね。
しかも、15巻の特典ペーパーで描かれていた通り、ルッカの属性を付加しての大出世です。
……そんなわけあるか。
(もしかしなくても、先祖ではありそうですが。)
こいつだけ1話であんまり戦っていないのは流石、真田の名を持つ男…!という感じですが、今回引用した一番シビれた台詞は彼のものなんですよね。くそう、ニクいなー。もう好きになりました。
冒頭の九喪との対決を見るに、かなりの実力者のようですし。
刀も差していますが、得物は槍のようです。2話では振るってくれることを期待しています。
どうか今度は消えませんように。


○主人公②・九喪

顔はサルみたいだけどクモ!1話で死にかけたクモ!とずっと言われそうなクモ!!
本名は何なんだろう、など気になるところがかなりあるキャラクターです。
いさな姫(仮)の正体を見抜いているような描写(忍び込んだ時に見たのかもしれないけど)や、療養した寺で何かしていた、というのが先の展開を匂わせてくれているので、彼を追っていけばストーリーの方向性が見えてくるのかな、という気がします。
三人の中で一番活きた表情をしているな、という所で既に魅力を感じるんですが(ニヤリとした笑みが素敵です)、
蜘蛛の模様の様な腕の傷が、自分で彫ったものではなく蜘蛛のような鞭?を操れるようになる為の修行で付いた傷だとしたら、もうコイツの事は最終回まで大好きです。

無駄な深読みをすると、栗の強飯に何らかのエピソードがあると見た。


○主人公③・大獄丸

石川将補復活!と思ったのは私だけではないはず。
……しかし、主人公なんだろうか。メインキャラでも容赦なく死ぬ戸土野作品で、1話の時点から死にたがっている主人公なんて嫌だぞ。
というわけで、何かあんまり書くことがない大獄丸なのでした。
彼だけは今回の主戦城である鳳と深い関わりがあるので、背景が一番早く判明しそうです。そうなると来月には好きになって、前回全然何も書けなくてごめんなさい、と言う可能性が高い……。
得物は鉄の棒で、今回既に力自慢の兵を2体瞬殺しているので、実力としては源四郎と九喪に並ぶくらいなのでしょうか。
実力も性格も今後深められていくだろうから、今後が楽しみという意味では期待大のキャラです。


○第2話と、今後の展開は?

いさな姫(仮)がそのままヒロインポジションに収まるの?とか、
じいさんズは置き去りになっちゃうの?とか、
色々と気になるすぎるくらい気になります。
が、まだ来月もプロローグでしょうし、まだ全容が見えないので、予想をしても仕方ないことです。

しかし、百鬼死門は100%間違いなく無残に死ぬな、というのはわかります。
死門とかいう洒落た名前のくせに、もう死相が見えます。
イケメンなので仲間になる可能性もある顔ですが、出る作品を間違えたな、という感じ。もうおしまいです。
戸土野作品のイキイキしたクズは例外なく可哀想な死に方をするので、1話からすごい勢いで死に向かう彼の姿に、ひとコマごとに悲しみが募りました。
あとアタマがでかいので、私の中ではすっかりオモシロい人になっています。
主人公三人の三方向同時攻撃で四散してもおかしくないくらいのスペックはありますよね。

あと、世界設定と絡めて、挑戦しているなと思ったことが1つあります。
戸土野先生の得意とする士(さむらい)が沢山いて、主人公が三人もいるというのに、誰一人として刀をメインに使いそうにないんですよね。
刀でチャンバラする作品かと思いきや、槍に鞭に鉄棒ですよ。
いっそのこと、いさな姫(仮)が剣豪になってもいいんじゃないでしょうか。刀での戦闘も戸土野先生の作画なら毎月見たいです。

最後になりますが、着地点もちょっとだけ考えてみます。
「イレブンソウル」の武道(たけちーと呼びたい)は生きる目的がはっきりとありました。
また、「悪魔狩り」のミカエルは、ラスボスのガブリエルから「何のために生きているの?」と物語の重要な場面で問われていました。
そして、この「どらくま」では扉絵のアオリで「その命……誰のため?」と(気の抜けるフォントで)書かれています。
戸土野作品は、主人公が生きる目的を見つけ、完遂する作品だと思い込んでいます。なので、今回も源四郎、九喪、大獄丸の生きる意味のようなものはしっかり描かれるのかなと。
三人とも傭兵のようなものなので、誰のため、何の為に生きているかというのは大人になった今でも意外と自覚できていない可能性もありそうですし。
こう考えると、三人それぞれが誰の為に「不惜身命」なのか、という話になっていくんでしょうかね。


12月までアップできなかった割にまとまりがありませんが、第1話感想はこんな感じで終わります。


イレブンソウル 1 コミックブレイド
戸土野正内郎
マッグガーデン
2012-10-25


前作「イレブンソウル」もぜひ!


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comic_review_10 at 01:38|PermalinkComments(0)どらくま | 漫画感想

2014年11月30日

「3月のライオン」 彼の名を何と呼ぼう






※ 10巻の重大なネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。

「3月のライオン」10巻がすごいです。
予想の斜め上、というのはこの事か!と10巻の最後で度肝を抜かれました。
今まで色々な漫画を読んで来て、全く予想していない展開というのは何度も目にしてきましたが、
次の展開をだいたい予想してページをめくって、これほどの衝撃を受けたことはありませんでした。

そのシーンについては後で少しだけ語るので、本題にさっさと移ります。

「3月のライオン」は計算されて描かれている要素が多い作品だと思い込んで読んでいます。
その1つに、主人公・桐山零が川本家の三姉妹にどう呼ばれているかを3年前(6巻が発売された頃)に気にしていたことを今回思い出しました。

(全くの偶然なんですが、「関係が定まる」という10巻の展開を見据えたような言葉をチョイスしている自分にちょっと驚きました)

次女のひなた(以下、ひなちゃん)は零のことを「れいくん」「桐山君」「桐山くん」「零くん」「れいちゃん」など、実に様々な呼び方をしています。3年前の自分は、ひなちゃんの立場になって、零の呼び方を模索しているのだと考えていたようです。
新刊発売にあたって既刊を読み返してみると、ある時は姉に引っ張られて「桐山君」になり、ある時は妹に引っ張られて「れいちゃん」になるようなシーンも多かったです。

ここで、川本三姉妹と零の関係について考えてみると、ひなちゃんだけ呼び方が定まらないのも納得がいきました。
あかりは零自身が言っているように、最初に全てを見られて知られてしまっているので「お姉さんと弟」でしかないように思えます。
また、モモも(年齢的にまだよくわかっていない所もありますが)「お兄ちゃんと妹」のような関係が全く変わっていません。
ところが、ひなちゃんだけは違いました。
姉が見つけてきた3つ年上の男の子が、ただの高校生だと思っていたら実はプロの棋士で、自分のいじめ問題に真摯に向き合ってくれて、受験勉強の先生になってくれて……と、姉と妹に比べたら零との関係は目まぐるしいものがあります。

そして、10巻のコレです。

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前述した関係の変化だと「婚約者」にジャンプアップしました。
となると、今後の呼び方が気になるというものです。

それにしても、ここまでかなり丁寧に「恋にはならない」という前フリがあったので完全に予想の斜め上でした。
父親の来訪は表紙裏のあらすじで予想が出来てしまって悲しかったんですが、父親の性格が予想の斜め下だったので、零のここでの発言がV字回復すぎて何だかよくわからない感情が湧いて、めくった瞬間にお腹がヒュってなりました。

最後になります。
関連して、というか今回この事について書こうと思ったのは、10巻のこのシーンと関連付けて気になったシーンがあったからです。
7巻のモノローグでひなちゃんが零を一度だけ特殊な呼び方を(心の中で)しています。

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「あなた」と呼んでいます。
どうして零が目の前にいるのか?という疑問は6巻の最後でひなちゃん自身が口にしているのに、わざわざモノローグに置き換えて7巻でもう1回描き直されています。
ひょっとしたらこれは、未来のひなちゃんが、いわゆる日本語で言うところの「あなた」との思い出を回想している可能性もあるのでは!?と、無駄に思考を飛躍させてしまうのでした。

これからの展開がどうなるにせよ、ひなちゃんが零を呼ぶ最終的な形は「あなた」であって欲しいなと思わされる10巻でした。


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comic_review_10 at 22:31|PermalinkComments(0)考察みたいなもの 

2014年08月25日

「黒子のバスケ」第274Q 感想

ジャンプ感想のつもりが、だいぶ長くなったので分けました

・扉絵
カラーの扉絵が素晴らしいです。改めてこうしてキャラクターが集まって各々が勝手に動いていると、1人ひとりに個性がちゃんとあることがわかります。
右目が閉じている赤司の和らいだ表情を見ると、「もう1人の赤司」が消えた後なのかもしれないな、とか色々あることないことを考えるのも楽しいし、青峰と荻原と(黛)の配置を見るとニヤっとします。

・木吉、ラストプレー

先週が山場だったのか、カラーが終わった次の瞬間にはボールを奪っていました。
結局、最後まで根武谷を攻略できていない気がするのですが、ここぞで決めてくれるのが「鉄心」ということでいいのだろうか。
正直なところ、木吉がそんなに強くないのでは、と作品を通してずっと思っています。というか、他のキャラよりも極端な場面でしか活躍できていないと言い換えた方がいいのか。
「黒子のバスケ」という作品を、私は「エースがシュートを打てば入るもの」として読んでいます。誠凛でいえば、火神が打てばまず入ると。
その他の場面では、頭脳戦なら伊月(加えて、相手のPGがキャプテンばかりだったので必然的に伊月回がある)、3ポイントなら日向、奇襲なら黒子と役割がはっきりしています。
一方、木吉は後出しの権利も後半は封殺されてたし、バイスクローもあんまり役に立っていませんでした。そして見せ所であるリバウンドの場面が、火神が決めるせいでなかなかやってこないという。
作品の性質上、活躍させるのが難しかったのかな、と思ってしまうのでした。
……何だか、木吉のラストプレーに泥を塗ってしまいましたね。

・勝者
先週の予想通り(1行しか書いてないけど)、読者からも消えていた黒子にパスが渡ると。
この流れは、コミックスで通して読むと黒子がどれだけ存在を消していたかわかると思うので、今から楽しみにしています。
そして、決勝点は黒子のシュート……ではなく、エース・火神のダンクと。実にこの作品らしい決着の仕方です。
……が、赤司はなんで「天帝の眼」を使わないでジャンプしたんだ、とちょっと思わずにはいられないのでした。赤司にも能力が高すぎる故の肉体へのダメージが発生していないわけはないので、使えなかったと脳内補間すれば、この場面は飛ぶしかなかったと考えられますが、赤司が言い訳をするかというと無さそうなので、永遠の謎になるかもしれません。
誠凛が優勝してスカッとした結末にはなったものの、洛山戦が個人的なベストゲームにならなかったのは残念でした。

・次回、最終回?
どうなんでしょう。
作中で放置されたままのフラグは、思いついた限りで水戸部、小金井、土田の必殺技が出ず仕舞だった(そもそもリコの親父からギリギリ完成するかもと言われていたレベル)くらいです。あと、青峰が泣いたので終わりかなというのが個人的な予想です。今週の扉絵も壮大でしたし。
青峰が泣いたので終わり、というだけだと冗談っぽいのでもう少しだけ。
キセキが再集結して世界で戦う展開になるのは熱いですし、青峰と黒子の再タッグはめちゃくちゃ見たいんですが、世界編をやるとしても(中3から1年経って)更に強くなったキセキが集まって無双するだけの内容で終わってしまう気がするので、ここで終わりかな、というのが真面目な予想です。

1か月くらい前に呟いたこれが現時点での自分の結論なので

やること残ってないくらいキッチリ描き切ってくれたな、という感触ですし、この流れで青峰と火神のダブルエースで日本つえー!とかやられても何か違うのかな、と。

というわけで次回が最終回だと覚悟しておきます。
桃井の「また皆でバスケやろうね!」がフラグだと思っているので、ストリートバスケをするキセキ+黒子+火神というのは3ページくらいでいいから見てみたいものです。ファンブックでもいいですけど。

本当に終わったとして総括的な感想が書けるかわからないので色々箇条書きしておくと
・作品にハマったきっかけ:ウインターカップ桐皇戦
・一番好きなキャラ:青峰
・キャプテンなってほしいキャラ:笠松
・ベストゲーム:誠凛VS桐皇(ウインターカップ)
こんなところです。とてもわかりやすい……



記念に最後、買ってもいいかもしれない(まだ終わるって決まってない)

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comic_review_10 at 23:24|PermalinkComments(0)ジャンプ感想 | 黒子のバスケ