2017年03月12日

「終極エンゲージ」1話 感想

「ジャンプ+」掲載です。無料で読めるのでぜひ本編を読んでから感想を読んでください。 

2016年のジャンプSQクラウンに掲載された「ハトシェプスト」という読み切りが年内ナンバーワンだったので、連載化が告知されてからずっと楽しみにしていた「終極エンゲージ」がとうとう始まりました。
読み切りが連載化する場合、1話目が読み切りとどれだけ違うかが個人的にはけっこう気になるので読む前からドキドキしていたんですが……全く別物で驚きました。
そしてやはり面白いです。

主人公のカルキとクリスを差し置いて出てきた「次の地球王」ルスと、人魚のような姿の異星人・キーアが物語を進めていきます。まずここで困惑しましたが、根幹の設定は変わっていませんでした。
地球の王が宇宙で一番強いため、その妃になるために宇宙中から女性が集まってきて、戦いによって王妃の座を決めるという設定はわかりやすくスッと入ってきます。それに、人間だけでなく色々な姿形をしている宇宙人が出てくるということは、登場する女性キャラの幅が無限にあるということで色々な需要に対応できそうです。

話がいきなり逸れました。
ルスはキーアに一目惚れしてしまうわけですが、まあ16歳の少年が裸を見た女性が可愛くて性格も良い子だったら惚れてしまうのはわかりますよね!
あとやはり、江藤先生の描く「良い奴」は細かい描写で本当に良い奴だとわかるから好きです(別の読み切りをもう1本読んでいます)。今回でいえば、ルスが付き人にキレてしまった後に謝っていたりとか、キーアはひたすらいい子です。
この時点ではまさかあんなことになろうとは思わず……。今見ると明らかにフラグなんですけど、主役が出てこないので混乱していて気付きもしませんでした。

さて、バトル漫画なのでバトルも気合入っています。
短期決戦ですがお互いに見せ場があって良いですね。蛇腹剣(BLEACHの「蛇尾丸」みたいな剣)がすごい好きなのでキーアの戦法がめちゃめちゃツボにハマりました。 
が、決着は悲惨なものでした。これはジャンプ+じゃないとできませんね。
あんなことになったのに民衆も実況の人もスポーツの試合でも見るかのように興奮しているのが、王以外にとっては「娯楽」でしかないんだなと伝わってきて、当事者とそれ以外とのギャップが感じられました。この辺は後々掘り下げられるんでしょうか。

そして、「終極エンゲージ」は、ルスの物語ではなかったと判明します。
キーアを愛していながらも、その彼女の命を奪ったディアナが王妃となり、「地球王」ルスはかつての強気を失った抜け殻のようになってしまっていた、と。あまりに残酷な展開です。
ただ、こういう背景があったとわかった後に「ハトシェプスト」を読んでカルキとクリスの関係をもう1回見てみるとものすごく納得しましたね。
(読み切りでは16代の地球王になるはずのクリスが連載では14代になっていたりと、微妙に設定を変えて読み切りから予測ができないようにしてあるのがズルい上手いですね。)

先の展開に期待しかない1話ですし、本当の主人公のカルキとクリスについて読み切りで知っているので期待しかないんですが(2回言った)、1話がほとんど「主人公の親父の可哀想な過去」というのはアンケート的には大丈夫なんでしょうか。それだけが不安です。


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comic_review_10 at 01:06|PermalinkComments(0)終極エンゲージ | 漫画感想

2017年03月08日

「鬼滅の刃」 表紙の法則性を考えてみる



6巻以降の内容を少し含みます。ご注意ください

「鬼滅の刃」5巻が発売しました。
表紙を飾るのは、主人公・炭治郎の運命を大きく変えた鬼殺隊の剣士・冨岡義勇です。
これまでの4冊には必ず炭治郎がいたので、主人公を差し置いての単独表紙がかなり意外でした。
何でかというと、炭治郎も今までは4巻に負けないくらい活躍してるんですよね。
ヒノカミ神楽の呼吸によって「十二鬼月」の一角を担う鬼・累を追い詰めたくらいです。

一方、表紙を飾った義勇は「柱」と呼ばれる特別な剣士であることが判明し、
伊之助が手も足も出なかった巨躯の鬼と、炭治郎が覚醒しても倒せなかった累を瞬殺しました。
1話で出てきた義勇の再登場が最高の形であったのは言うまでもないんですが、
それでもやはり単独で表紙を飾るほどか!?炭治郎も頑張ったじゃないか!
もしくは同じ柱の胡蝶しのぶと2人の表紙でもよかったのでは?などと思いながら既刊の表紙も眺めていると、法則性に気付きました。




1巻は炭治郎と禰豆子です。



2巻は炭治郎と、ラスボスの鬼舞辻無惨です。



3巻は炭治郎と、同時期に鬼殺隊に新たに入隊した剣士・吾妻善逸です。



 4巻は炭治郎と、これまた同じく同期の鬼殺隊剣士・嘴平伊之助です。

 見てわかる通り「炭治郎ともう1名」の2人が表紙を飾っています。
が、もうちょっと深読みすると、「炭治郎ともう1人の関係性がわかる表紙」なのでは!?と思い至るようになりました。 
再度、表紙画像を貼っていきます。
(アマゾンリンクを何回も貼って申し訳ありません。当サイトはアフィリエイトを全くやっていませんので、ご了承ください。)






「鬼滅の刃」は、炭治郎の家族が鬼(鬼舞辻無惨)によって惨殺されるところから物語が始まります。その中で唯一生き残った妹の禰豆子は鬼と化してしまい、妹の手で炭治郎は命を落としかけますが、冨岡義勇との出会いによって兄妹の運命は死から救われることになります。
鬼殺隊の剣士になる決意をした炭治郎は、禰豆子を人間に戻す方法を探しながら鬼との戦いに身を投じていくことになり--
ということで、「禰豆子を守りながら戦う炭治郎の図」です。
が、1話の内容を踏まえると「鬼と化した禰豆子が人間(炭治郎)を襲う図」にも見えないでしょうか。

2巻以降も炭治郎の視点と、もう1人の視点の両方がわかる凄い表紙になっているので見ていきましょう。



2巻で炭治郎は早くも、自分の家族を殺した鬼舞辻無惨と直接対峙することになります。
鬼舞辻にとっては炭治郎は、ただの新人の鬼殺隊の剣士くらいのものかなと思いきや、どうやらそうではないようです。炭治郎の耳飾りを見て、命の危機を感じた過去を思い出したような描写があります。
また、6巻以降で判明しますが、鬼殺隊の中でも最強とされる「柱」の面々ですら鬼舞辻に遭遇した者はいないのです。
2巻は、炭治郎が鬼舞辻を絶対に斬るという意思と、
鬼舞辻の視点では、自分をかつて追い詰めた日輪の耳飾りの剣士が迫っていることが伝わる構図になっているのではないでしょうか。



3巻で炭治郎は共に入隊試験を突破した善逸と遭遇をし、共に鬼と戦うことになります。
善逸は戦いをとにかく避けようとしたり、初対面では炭治郎から軽蔑されたりもしますが、禰豆子(の入った箱)を命がけで守ったり、本当は強いことが炭治郎には伝わっていたり、と出会ったばかりでも信頼関係が生まれています。
3巻の表紙は炭治郎から善逸への信頼(振り返ると居てくれる)と、自分に自信が無い善逸にとっては「少し前を歩いている炭治郎」という関係性が伝わる構図なのかな、と思いました。



4巻では、3巻で鬼との戦いに乱入するように登場した伊之助が、炭治郎の性格のせいもあってか半ば強制的に仲間になります。しかし、善逸をボコボコにしたり、炭治郎とも戦ったりと、決して良い登場の仕方ではありませんでした。そんな伊之助なので、こんな表紙になっています(雑)。
炭治郎、善逸、伊之助は同期ですが、3巻の表紙とはまた違った同期の関係性がわかるのが4巻なのかなと思います。細かい所だと、伊之助は手を出している(襟を掴んでいる)のに、炭治郎は拳で威嚇するに留まっているわずかな違いがとても良いですね。
(恥ずかしい話ですが、まだこの作品にハマりきっていない頃に本誌で伊之助の初登場エピソードを読んでいた時は誰が敵なのか全然わかっていませんでした)

ということで、 「鬼滅の刃」の表紙は主人公・炭治郎と一緒に描かれた人物との、双方向の関係性がわかる絵になっている、と考えました。
なので、5巻の表紙を冨岡義勇が単独で飾ることにも意味があると考えます。



炭治郎が死力を尽くしてなお勝利することが叶わなかった十二鬼月・累を瞬殺した義勇は、炭治郎にとっては並び立つことすら許されないほど遠い人物だと考えられませんか?
同じように、義勇にとっても炭治郎はまだ「俺が来るまでよく堪えた」と評するくらいの強さしかないわけで、(禰豆子のこともあって気にかけてはいるけど)刀を手にした鬼殺隊の剣士としては、義勇から見た炭治郎の力量は眼中に入らない程度なのではないでしょうか。

炭治郎と義勇の関係を考えると、5巻もまた法則性によって描かれたすごい表紙なのでは、という気づきを共有したいための更新でした。
あと、この5巻によって2巻の表紙がまた1つ味わい深くなるんですよね。鬼舞辻がどれだけ炭治郎(=自分に近づいてきた人間)を恐れているのかという、ラスボスらしからぬ壊れた精神構造が見えた気がして、鬼舞辻という人物が気にならずにはいられなくなりました。


「BLEACH」の表紙が人物単独で描かれていたのがとても好きなので、6巻以降も法則性のある表紙が見たいんですが、6巻以降に全く全然違う意図の表紙が来たら笑ってやってください。

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comic_review_10 at 23:20|PermalinkComments(0)鬼滅の刃 | 考察みたいなもの

2017年02月27日

週刊少年ジャンプ13号感想(2017)

「ジャンプ展」めちゃめちゃ行きたいんですけど、「BLEACH展」を待っています。


○腹ペコのマリー

6連続新連載の4つ目です。「べるぜバブ」を連載していた田村隆平先生の2作目ですね。
ものすごく面白かった!というわけではないんですが、 ヒロインの可愛さで「僕たちは勉強ができない」を、これからどうなるんだ!?という1話の引きのワクワク感で「U19」を、コメディーとしての作劇で「ポロの留学記」を完全に上回っていて、4つ目にこれを持ってきた編集部がちょっと意地悪いんじゃないかと思うくらい完成度の高い第1話だったな、と。気になったのは主人公が、前作の主人公・男鹿と区別がつきにくいくらいでしょうか。

主人公が女性になってしまうという衝撃の引きで、それこそ2話以降どうなるか全くわからないので、4話くらいまで進んでみたら6つの新連載で一番失速するという可能性も無くはないのかもしれませんが、この1話から面白くなくなるのは想像ができないです。巻頭カラーのアオリによると「バトルラブコメ」ということだそうですが、バトル無くてもいいんじゃないかなと思うくらいヒロインが可愛かったです。ヒロインはマリーなのかもしれませんが。


○鬼滅の刃


しのぶさんの可愛さ上昇が止まらなんですけど、今週は胸も大きくなってませんか。
すごく良い人だというのがわかってしまって好感度の上昇も止まらないんですけど、先週「もしかして死んでしまうのでは」というよからぬ想像をしてしまったせいで、今週の優しさ描写も不吉でしかないのが辛いです。いや、勝手に辛くなっているだけなんですけど。

さて、日輪刀が戻ってきました。
鋼鐡塚さんが先週の炭治郎の想像より酷くてめちゃめちゃ笑いました。
今回は伊之助の描写に集中されていて、炭治郎の日輪刀がどう変わったのか/変わっていないのかはおあずけのようです。
その伊之助の刀を打ち直した鉄穴森さんも良い人なんですが、伊之助がアレなせいで彼もアレな人になってしまいました。
作品世界の刀鍛冶が面を付けているのは何かの設定があるかもしれないので気になります。再登場に期待が高まります。
善逸だけは刀が折れ無かったので禰豆子に一方的にアタックしていますが、しのぶさんに「一番応援された男」なのに同じ週に禰豆子にまで手を出すとは……そのまま蜘蛛になっていればよかったのにと思わざるを得ません。

今週はほのぼのだった炭治郎たちと対照的に、鬼舞辻無惨の怒りが凄まじい場面転換、この作品の緩急の付け方はジャンプで戦い抜くための抜群の個性だなと思わされます。
十二鬼月にも強さの位があり、「下弦」と呼ばれる壱から陸(1から6)は弱い部類に入るそうです。言われてみれば、序盤で出てきた元十二鬼月は「下陸」と眼に描いてありましたが考えもしませんでした……。読み込みが浅すぎて悔しいですね。

そして驚くべきは鬼舞辻が女性の姿に変身していたことです。
(余談ですが「鬼滅の刃」と「腹ペコのマリー」の性転換被り、「ブラックククローバー」と「U19」の赤い糸被り、「べるぜバブ」の田村先生が帰還した号に「左門くんはサモナー」でベルゼブブが出てくるなど謎の現象が多い号でしたね)
炭治郎に正体を知られたこと、「柱」が誰も鬼舞辻に接触したことがないこと、累が殺されたことを繋げると、鬼舞辻の激しい怒りも納得できるというものです。まるで良いことが無い。
気になるのは13話で初登場した時に連れていた人間の「妻」と「娘」の所在です。今思うとあれも彼女の夫(父)だった男性に擬態していただけ(殺して入れ替わっていただけ)だったのかもしれません。そう考えると殺されているよなあ……としか思えないわけですが、炭治郎に知られたことで新しい擬態をしないといけないことで妻と子を捨てる必要が生じたことへの怒りもあるのかな。青白くて弱いと言われて激高したこともありますし、ただの悪い奴ではないのは確定しているので細かな描写も見逃せません。

心を読む(2回心を読んだだけで怒りを表現する)演出もばっちり決まって最高の引きですね。
次号が待ちきれません。


○火ノ丸相撲

草介優勝で終わったのでカットだと思っていた個人戦3位決定戦と決勝戦が描かれました。
いや、けっきょくほぼカットでしたけど。加納君いい所ないな……。
試合が描かれなかったことで、逆に栄華大の四方田主将の恐ろしさが増した感じはあります。天王寺もある程度は認めているようですし。
四方田主将が言う「あの男」は部長なのか、もしくは桐仁なのか…。個人的には部長を推したいですが、部長はロシア人の留学生を倒す金星の役目があるので桐仁かなと。四方田主将が桐仁を栄華大にスカウトしたかったとかそういう因縁込みで。

さて、ついに団体決勝が始まりました。
ダチ高は桐仁が上手く隠れているように見えますが、栄華大は5人全員が描かれていて、狩谷がいないので2週前に私が考えたオーダーは外れたことになります。いや、というかそもそも先鋒戦から外れてますね(組み合わせは合ってたけど)。先鋒にチヒロで度肝を抜かれました。

先週の感想で「チヒロの親が離婚したという設定に関係のあるキャラクターかな?」(ドロドロするから無いか)と予想しましたが、普通に兄貴でした。そのまま兄弟だと逆に年齢が噛み合わなくない?と深読みしていましたが、よく考えたら高校相撲だから実の兄弟の方が自然な設定でした。先週の私、何を考えていたんだ。

栄華大の先鋒・兵藤はバカでした、というこれまた意外な設定…。ではあるんですが、彼が大相撲を選んで修練を積んできたエピソードなんかは確実に描かれるはずなので、ここでチヒロがどう負けるかは納得のいくものになりそうです(勝てると思っていない)。


○オレゴラッソ


最終回です。先週のたった1回で高校1年の初試合から海外のリーグ入りまでダイジェストで描かれて今週の最終回になったので、この作品のゴールはここだったのでしょう。
しかし、12回で終わったせいで番場の海外デビューを応援する名前ありのキャラクターが4人しかおらず、最終話で登場したサッカー少年が目立つという謎の最終回になってしまいました。
3話くらいまでは「現代サッカーを否定しながら、まず現代サッカーを描かない」というのが気になって、これは応援できないなあと思っていたのに、先週終わった「デモンズプラン」がどんどん酷くなっていって、この作品は印象に残らないで終ってしまったなという感じでした。
最終話の最終コマで唯一主人公の顔が映るという演出の狙いもわからなくはないんですけど、番場の微妙な顔を見ると別にこの演出しなくてもよかったんじゃないの?と思ってしまうのでした。

サッカー漫画ってスタメンだけでも11人のキャラを立てないといけないし、敵が出てくると11人ずつ増えるので作劇をするのがものすごく難しいテーマなんだなと改めて思わされたので、ジャンプでやっていくには何か別の切り取り方が必要なのかなと思いました。


【一行感想】
・ブラッククローバー:U19よりも先に赤い糸が出てしまった……
・ BORUTO:前回で映画パートは終わったと勝手に思っていたので脱力しました。次回に期待。
・僕たちは勉強ができない:第3のヒロイン登場。惚れるエピソードが良かったし、いい子なのでこの子とくっついてほしいです。


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