2017年01月24日

「BIRDMEN」9巻 感想



「そして運命をねじ伏せきってから--何食わぬ顔で帰ってくるのが今の俺の考えるベストです」

烏丸たちの日常の終わりと旅立ちを描いた「BIRDMEN」9巻です。
イケメンのロビンが表紙です。 

新刊購入にあたって1巻から8巻を読み返したんですが、
この作品は進むほどに読むのが難しくなるのでまとめ読み推奨です。
今やっている少年漫画の中でもトップレベルの面白さだと思うので、
もっと売れて、多くの人に読んでほしいですね。

秘密結社エクソダスとかいう組織と今後の展開のボス(中ボス?)が出てきましたが、9巻の見どころはやはり烏丸の旅立ちでしょう。
まず冒頭から地味女Bちゃんの視点で「他者の目から見た烏丸」を描くのが上手い演出過ぎて、完全にやられたなという感じです。地味女Bちゃんはこれまでに烏丸と一番関係があった「人間の同級生」なので彼女の視点で描かれるのは違和感がないですし、かつての「鷹山を見る烏丸」のリフレインにもなっているという。そして地味女Bちゃんも可愛くなっているという。
母親のシーンもそうですけど、田辺先生は目を描く/描かないで演出する技術がありすぎます。

つばめが「繋ぐ者」として覚醒し、人間にもセラフの能力を使って干渉できるようになり、
また、烏丸たちに接触する人間が手段を選ばない接触方法を取ってきたことで、物語は大きく動き出しました。
政府の干渉によって烏丸たちの家族を人質に取るような手段だけでなく、逆に良い待遇を与えることもできる、という人間の交渉の仕方はおおっと思いました。
結果、セラフをなめるなと言わんばかりに、烏丸たちが攻めるきっかけにはなってしまいましたが。

烏丸は母親に別れを告げ、日本を去って鷹山を連れ戻す旅に出る決意をしました。

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この表情、本当にそう思っているようにも、もう人間に対する感情を失ったようにも見えるのがすごいです。
なんでこんなひどい事を書いているかというと、つばめが同行すると聞いて、訴えかけられた時には明らかに照れているように描かれていたり、こうして別れた後に仲間と飛びまわる表情は本当に楽しそうなんです。 あと仲間に「ホントごめん」って言っている時とも何か違うように見えるんです。
家族のもとを去って鷹山を連れ戻す旅に出る、という時点で彼の中で大事なものが変わっているというのもありますし。
このあとのコマでは口を固く結んでいるので、本当に心の底からの言葉だとは思いますが。
龍目さんに謝る時の表情が見えないのもずるい。

そして、鷹山の存在を感知すると起こる(?)「ホワイトアウト」や、
かつて戦ったアイリーンが「黒鎧士」の能力を手に入れての仲間化する烏丸たちの変化と、
中国でのセラフ大量増加、ロビンの反撃準備など、セラフが種として人間を支配する準備が整ってきており、さらに物語が大きく動きそうな予感がしています。
セラフと言えば、ガブリエルの身ごもった子供も気になります。(ちょうど8巻まで読み返しながら、死ぬキャラにしては気合入ったデザインだな、とか、死亡描写が無いなと思っていたので9巻ですぐ出てきて驚きました。しかも美少年じゃなかったのか、と2度驚きました。)
しかし、こう物語が大きくなってセラフVS人類(アダム?)の物語になってくると終着点が見えなくなってきます。最後は日常に回帰できるのだろうか…。

烏丸がホワイトアウトから目覚め、鷹山ではなさそうな奴の登場で10巻に続きます。
誰なんだろう。 

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comic_review_10 at 00:34│Comments(0)漫画感想 

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