2016年07月

2016年07月20日

花侍のサハラ 第1話「砂原」 感想

「だから この花を守って」

「ヨアケモノ」の連載からちょうど2年後に始まった、芝田優作先生の2作目の連載となる「花侍のサハラ」第1話の感想です。
読み切りの「ZIPPO」からは1年くらいでしょうか。連載化するのを待ち望んでいましたが、それと同時に不安が大きかったのも本音です。なぜなら、今のジャンプ本誌は非常に層が厚く、新連載が生き残ることが困難だからです。
でも「ZIPPO」面白いから連載化しそうだな、また短期で終わってしまうのかな……と思いながら新連載は始まらず1年近くが経ち、NEXTに次ぐ新増刊が発表され、芝田先生の名前があり、読切だと思っていたら連載!という予想外の展開に驚きの連続でした。

そしてついに始まった「花侍のサハラ」、これは期待以上の面白さです。
本編には予告カットを見た時以上の興奮が詰まっていました。


○砂漠に花を咲かせる侍

第1話は、「花刀」と呼ばれる変わった刀を持つ砂原サンジュウロウと、古代の遺物と化してしまった本物の「花」を持つ鴇色ヤエの出会いが描かれました。

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魅力的な主人公とヒロインというのはとても良いです。大好きです。
主人公のサンジュウロウは時折、少年のような顔になるのが好きです。ヤエは桜を見て急に女の子らしくなった所で好きになりましたし、読み返すと胸を揉まれて殴ったあとはすぐに助けてもらったお礼を言っているのが良いですね。
それと、お互いの言葉を聞いて大切な人を思い出すという描写がそれぞれの視点であったことが、対等な感じがして細かいながら好きな描写です。
あと個人的には蛇腹剣(「BLEACH」の恋次みたいな剣)が大好きなので、「朝顔の形」がめちゃくちゃ好きです。

世界観の説明を長々として終わり、ではなく、絵で世界観を見せつつ2人の出会いと関係性の構築に終始しているのが思い切った構成ながらも良い方向に作用していると感じた第1話でした。
過去に大きな戦いがあり砂漠化してしまった世界で何とか生きる人々、それを脅かす自動具足とよばれる化け物、「花」に特別な想い入れを持つ主人公とヒロイン、サンジュウロウのまっすぐさ、そして芝田先生の画力を存分に活かした巨大な敵とのバトルと美しい見開き、と光る要素がいくつも見られます。
中盤で登場したテロリストも、ニコッと笑って「殺せ」と言えるキャラクター性が好きなので、世界観の説明と、サンジュウロウと自動具足のかませ役で出てきたようなものでしたが、個人的にはありでした。
という感じで、本当に無駄のない1話です。

絵で見せるというところでは、3ページ目に大きく描かれている建物が縦に積みあがっていて、土台となる岩?に結界のような飾りが張り巡らされているのが「そこにしか住めない」ことを絵で納得させていて好きな描写です。

そもそも「花刀」って何だ、とか、右目が隠されたサンジュウロウ=主人公のことがまだまだわからないことが多いです。数コマだけ描かれたサンジュウロウの過去回想で右目に刀傷らしいものが見えることや、「桜の形」の形が禍々しいのが、彼の明るい性格とは全く逆の過去を持っていそうで気になりつつ、この辺りの話がじっくり描かれるくらい人気が出ることを祈りつつ、という感じです。


○2作目の連載として

2作続けて「侍」が主人公となりますが、「花侍のサハラ」は「ヨアケモノ」と比べてみると1作目からの進化が見てとれる内容でした。
やはりまず大きい所としてはヒロインがいるところでしょう。
これは進化というかただの相違点ですが、画面が明るい気がします。先ほども言いましたが、桜を見てからのヤエは序盤とのギャップもあって良いです。

主人公のサンジュウロウと刃朗が大きく違うのは年齢です。
理解ある大人が主人公だと1話でここまで話を進めるのか!というのが正直な印象です。
「難しいことはわからない」が口癖の刃朗は、1話から最終回まで「新撰組?」「長州?」「坂本龍馬?」というように何1つ大事なことを知らず、主人公にも関わらず無知を売りに最後まで駆け抜けました。
一方のサンジュウロウは自分の使命を持って砂漠化した世界で生き抜いていて、ヒロインを守ることが自分の目的に繋がる、という所まで理解して1話目で最終目標まで設定し終えてしまいました。

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(今回のMVP・わかったおじさん)

逆にヒロインが「全然わかんない!」と言っていますが……ファンサービスなのでしょうか。
あと「無言での頷き」や、同じおじさんが2回「わかった…!」と言っていて、「ヨアケモノ」を思い出すシーンがいくつかあったのを報告しておきます。

あと、やはり画力が高いのは「ヨアケモノ」から変わらず、どころか進化しており、改めてすごいと感じたところです。
電子版だと美しい「桜」の見開きが1ページずつに切れているので、非常に勿体ない経験をしました……。
早く紙でも読みたいです。


「花侍のサハラ」が短期連載なのか、人気によっては2冊以上出たり、ジャンプ+行きもあり得るのかが気になるところです。とりあえず4回のうち1回はカラーも見れると嬉しいですがはたして…?

第2話が載るジャンプGIGAは8月20日発売ということで、首を長くして待ちます。


ジャンプGIGA 2016 vol.1 (未分類)
週刊少年ジャンプ編集部
集英社
2016-07-20



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comic_review_10 at 23:49|PermalinkComments(0)漫画感想 | 花侍のサハラ