2017年01月

2017年01月30日

週刊少年ジャンプ9号感想(2017)

新連載6つは意外というか、歪のアマルガムの掲載位置が上がって小躍りしたのに一瞬で打ち砕かれて悲しさが上回りました。ワールドトリガーがしばらく帰ってこないと言われたようなのも悲しいです。
黒子のバスケが好きなので、藤巻先生のが一番楽しみです。

○鬼滅の刃


禰豆子、不死川が仕掛けた血の誘惑に耐え、柱の面々に人を襲う鬼ではないと証明されました。
義勇さんだけは一度見て知っているので驚きは無さそうですが、他の柱にとっては驚きと不信のどちらが勝るのかは気になるところです。
一方の炭治郎は尋常ではない力で伊黒の拘束を解くという、禰豆子とどっちが鬼かわからないような一面を見せました。炭治郎がいるおかげで人間でいられる禰豆子と、禰豆子を守るためなら鬼にでもなれる炭治郎、という関係は頭に入れておきたいな、と思う今週の描写でした。比喩ではなく何かあるかもしれませんし。

炭治郎がお館様に言った「悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るう!」は、この1年間の炭治郎の中でも相当格好良い言葉だったんですが、これが決まらずに恥ずかしい思いをすることになるのが「鬼滅の刃」なんだなあ、とほっこりしました。お館様の笑顔もギャグ寄りでかわいらしいです。
お館様、今週ラストで「産屋敷 耀哉」という名前だとわかりました。すごい名前だ。
あと、動き・話すだけで相手を心地よくさせるという先天的な能力?素質?を持っているようです。でも、おそらくそれだけではないはずなので、底知れなさが増したなと感じました。

柱になる条件の1つに「十二鬼月を倒していること」があるようです。過去の敵の中には元十二鬼月もいましたし、現在何体の鬼によって構成されているのかが気になります。

もう1つ。今週は全体的に柱の女性2人のリアクションがとても好きです。
蜜璃は元々好きだったんですけど、炭治郎の肺を気にしてくれたり、炭治郎が恥をかいたことに笑いを堪えるしのぶが今週でめっちゃ好きになりました。


○火ノ丸相撲

「鬼炎万丈の相」に辿り着いた潮の猛攻と、反撃に出る天王寺の勝負、熱いです。
潮は「異能力士」である仲間の力も借りて天王寺の想像を超えたものの、彼は彼で色々な強さを持つ鳥取白楼という集団にいて「最強」であり続けていたので、その程度では揺さぶれんぞと押し返してくるのは説得力があります。

再び天王寺のターンにはならず、堀ちゃんの分析がここで活きて潮の優勢に傾くのが熱いです。「天王寺の弱点」だと勝手に思い込んでいたので、「潮が勝つ可能性」だったので勝手に熱くなってしまいました。そりゃ堀ちゃんは潮を見てますよね。
で、レイナさんの扱いが「力になっとるさ」で終わるのがレイナさんらしいっちゃらしいんですけど、来週なんかあるんですよね!?
(そもそも、天王寺とまともに勝負ができる「百千夜叉墜」が完成したのはレイナの影響も多々ありますが)

天王寺が纏っていた闇を全て消し去り、部長の声援で攻撃力がマックスになった百千夜叉墜!めちゃくちゃ熱いですが、これで決まってくれるか少し不安もあります。天王寺が大ゴマの必殺技をまだ使っていない気がするので。


【一行感想】 
・BORUTO:ようやく映画の展開まで終わりました。次回からが本番ですね。
・ ブラッククローバー:テンポが良い作品なんですけど、小説版のキャラ?をメインに据えたり、今回の敵は復活するし、まだメインキャラとも言えないマルスの感動話をやったりして、終始締まらないエピソードだったかなという印象です。アスタの投剣は相手が吸収する能力だったから特別効いた、ということでいいんでしょうか。
・背すじをピンと:つっちー達のゴールと土井垣部長達のゴールは重ならないけど、それぞれの道に良さがあるとわかる良い回でしたね。 うん、終わるなコレ。
・歪のアマルガム:ラスボスの思考がアレすぎて言語化が難しいですが、やはりここで終わるのは勿体ないです。絵も設定も気合い入っているからまだまだ読んでいたいです。
・デモンズプラン:ユース君がザルすぎて56年間ロブリオンに勝てなかったのがよくわかるし、ロブリオンはロブリオンでめっちゃ弱そうだし、すごい回でした。コミックス欲しくなってきました。 

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comic_review_10 at 22:38|PermalinkComments(0)ジャンプ感想 

2017年01月29日

「冒険王ビィト」3巻 感想



「でも…逃げたくなかったんだ…!」

 「冒険王ビィト」3巻です。成長したビィトの前に現れたベルトーゼとの戦闘は当然避けられず、エクセリオンブレードによる必殺・ゼノンウィンザードを直撃させ…という2巻のラストでした。
どう見ても倒せていなかったので、ここからベルトーゼにどう負けてしまい、ビィトの心がどう折れてしまうのか…という心配しか無かったのですが、杞憂でした。意外にも、3巻はまるまるVSベルトーゼで、勝つところまで描かれています。

 まずはビィトの敗北から始まります。ゼノンウィンザードはビィトの未熟さに耐え切れず崩壊し、ゼノン戦士団に託された才牙を扱い切れていないことがベルトーゼから指摘されてしまいました。読者は読んでいてわかる情報でしたが、作中で言及されてスピード感あるのに丁寧な作劇だなと思いました。
サイクロンガンナーは1発、ボルティックアックスは生成が遅く敗北の原因になる、と、この2つは先が長そうです。
 この敗北を通してビィトが語った「いま逃げたら、この先もずっと逃げ続けることになる」という主張は熱いですね。天然型の主人公で、いまいちキャラクターが掴めなかったんですが、ここで一気に好きになりました。

 敗北したビィトを逃がすために現れたのはスレッドでした。
槍使いでメインパーティー候補の1人なので、バーニングランスをやがて使うようになるのかなと考えていたんですが、彼はレベル32にして自分の才牙・サイレントグレイブを持っていました。作中6つ目にして「透明で極薄の刃なので見えない」という個性的な物が出てくるとは意外です。ビィトよりもベルトーゼの肉体を深く切り裂いているので、今回は負けてしまいましたが伸びしろがありそうな才牙ですね。

 精神世界でゼノン戦士団から激励を受けて復活したビィトはクラウンシールドの力を引き出して勝利することができました。 元の持ち主・クルスがやっていたように毒を消しさる能力と、シールドを鉄球に変化させられるようになった、と。自分が邪魔をしなければゼノン戦士団はこう勝っていた、とビィトが悔しがるのも良い勝ち方ですね。

 さて、ベルトーゼを倒したところで次はグリニデ…とはいかず、どっこい生きてたベルトーゼです。何らかの理由で本体は動けず、分身体だったそうな。グリニデにも死んだと思われているし、シャギーも言わないし、何か嫌な関係で笑ってしまいます。 
 
 グリニデが七ツ星に昇格し、 いよいよ3巻からは本格的に「グリニデ編」というところでしょうか。
ビィトには3人目の仲間が登場する予感と、ポアラの新装備・鉄甲銃が良い感じで、次の冒険が楽しみです。 

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comic_review_10 at 21:27|PermalinkComments(0)漫画感想 | 冒険王ビィト

2017年01月28日

「冒険王ビィト」2巻 感想



「ゼノンウィンザードだっ!!!」

「冒険王ビィト」2巻です。めちゃくちゃ面白いですね。
12巻のあとずっと待っていた人たちの忍耐力に感服しつつ、1冊感想を書くまでは次を読まないようにして、ゆっくり楽しく読ませてもらっています。

まず、1巻の感想で触れた部分や、気になる点を羅列していたのがほぼ全部描かれていたことに驚きました。
(才牙の力をさらに引き出すビィト、ベルトーゼとの戦闘、エクセリオンブレードの使用など)
展開が早いのに面白いのは

2巻冒頭では「魔賓館」が登場しヴァンデル側の設定が語られ、敵の魅力がかなり上がりました。
人間がバスターになってヴァンデルを倒すように、ヴァンデルも人間を倒した功績が評価されるシステムがある、というのは面白いですね。そして明らかにただ者ではないシャギー館長も気になります。(キルバーン的な雰囲気がある。)
あと何故かベルトーゼがキメ顔をしたり「ニヤリ」という効果音が付く度に笑ってしまいます。戦闘時に全裸になるのとかもツボに入ってしまって、最高位の七ツ星魔人に全然見えないのが辛い……。

魔人と言えばもう1体、六ツ星魔人のグリニデも登場しました。
ビィトが少年だった時のベルトーゼよりも星が多いので、かなりの強敵になるのは間違いないようです。
(うすぼんやりですが、こいつを倒したところまでは読んだはず。)
「深緑の智将」という二つ名を自分で付けたのがバレバレの初登場から、部下・ダンゴールとの主従関係、ベルトーゼとの舌戦などでキャラが立ちまくりで、一発で好きになりました。卑怯な戦法を好むのが、自分の暴力的な本性を隠すため、というのもいいですね。
「殺しておくかな…この場で」のコマは間違いなく強者の威圧感が出まくりで、本領発揮が楽しみです。
 
ビィトは大型のザコモンスターを相手にバーニングランスの力を少し引き出したり、
グニリデを出し抜いたり、ベルトーゼを相手に善戦し、ゼノンの才牙「エクセリオンブレード」を使った必殺・ゼノンウィンザードまで披露してくれましたが、3巻ではベルトーゼの本気に心を折られる展開になりそうです。

短い描写ですが、バスター仲間(ライバル?)のスレッドも登場しました。
だいぶ先の話ですが、10巻の表紙にスレッドがいますね。
彼は槍使いのようです。ポアラが銃を使うフラグが立ったのと合せて考えると、そのうちビィトの持つ5つの才牙が分裂して、メインパーティーが1つずつ持って「ゼノン戦士団」を彷彿とさせる集団になっていくのでしょうか。
ポアラのリアクション芸はとても好きです(口を大きく開くのが可愛い)が、彼女が戦闘で活躍するのも見たいです。 

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comic_review_10 at 22:23|PermalinkComments(0)漫画感想 | 冒険王ビィト

2017年01月24日

「冒険王ビィト」1巻 感想



「大丈夫!みんなが寝てる間にちょっとだけいい明日にしておくよ!」

作画の稲田先生が長期休養から復帰し、2016年に再始動した「冒険王ビィト」を今さら集め始めました。
10年くらい前に当時の最新刊まで読んで絶対に集めようと思っていたものの、いつの間にか休載してしまって新品で買うタイミングを逃してしまっていたので、こうして機会が巡ってきて嬉しい限りです。
1巻が出たのが2002年ということですが、最近読んだ1巻の中でもかなり面白くて買ってよかったと思っています。
間違いなく王道の少年漫画なんですけど、「ダイの大冒険」を描いていたタッグなのでもの凄く高いレベルで安定していて、読みやすさが尋常ではないです。

人間を苦しめる「魔人(ヴァンデル)」と呼ばれる悪の存在が現れた「暗黒の世紀」に立ち向かう戦士 「バスター」の冒険を描いた作品です。
ビィトという少年が主人公ですが、彼がバスターに憧れるただの少年だった1話から、成長した姿を見せてくれる2話と3話が1巻には収録されています。

1話はビィト少年の視点でバスターと魔人の戦いが描かれるだけでなく、ゼノン戦士団という最強のバスター達から見たビィトの資質の高さ、ゼノンの決断と仲間が同調する理由がさらっと描かれているのが好きです。
(ゼノン戦士団については今後掘り下げられる可能性が大いにある、という前提が頭にあってこそかもしれませんが)
大ボスになるであろうベルトーゼにゼノン達が勝てそうだったのもバランスが良くて好きな要素です。
あと、5種類もの「才牙」(必殺武器のようなもの)が登場したものの、外見だけが描かれた後は「ビィト少年からレベルが違い過ぎて神々の争いに見えた」的なナレーションで戦闘描写をすっ飛ばして「極めた才牙ならここまで出来る」というのが伏せられているのが上手いですね。(ちょっと卑怯ではありますが)
2話と3話でビィトが才牙を使って敵のボスを倒しますが、どの程度使えているのかが読者にはわからないので、私の中でのゼノン戦士団の株はビィトのおかげで上がり続けるのでした。

2話と3話は「暗黒の世紀を終わらせる男」として魔人討伐の旅に出るビィトの本当の顔見せエピソードが描かれます。ゼノンたちの魂を受け継いで5種の才牙を手に入れたビィトが弱いわけがないので、やられ役として出てきた魔人ムガインは可哀想でした。が、2つの「才牙」を使わせたのは何らかの情報として魔人側に伝わるかもしれないので、よくやってくれたのかもしれません。

最強のバスターしか持ち得ない「才牙」を5つも持つビィトがどこで苦戦するのか、エクセリオンブレードをいつ使うのか、ヒロインのポアラも「才牙」を手にするのか、など気になる要素が盛りだくさんで、少年漫画が好きなので先の展開にかなりワクワクしています。
(10年くらい前に1回読んでいますが、1回読んだだけなのでほとんど忘れています。ありがたい)
が、何よりもベルトーゼが小物感まる出しのまま終わるのか、最終的に大物に成長するのかどうかが最大のポイントです。「ダイ」タッグの作品なので味方の成長よりも敵の成長に期待してしまいます。
あと、喋る扉が何故か可愛く思えてしまったので、ビィトの村以外にも出てくることを期待します。

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comic_review_10 at 22:57|PermalinkComments(0)漫画感想 | 冒険王ビィト

「BIRDMEN」9巻 感想



「そして運命をねじ伏せきってから--何食わぬ顔で帰ってくるのが今の俺の考えるベストです」

烏丸たちの日常の終わりと旅立ちを描いた「BIRDMEN」9巻です。
イケメンのロビンが表紙です。 

新刊購入にあたって1巻から8巻を読み返したんですが、
この作品は進むほどに読むのが難しくなるのでまとめ読み推奨です。
今やっている少年漫画の中でもトップレベルの面白さだと思うので、
もっと売れて、多くの人に読んでほしいですね。

秘密結社エクソダスとかいう組織と今後の展開のボス(中ボス?)が出てきましたが、9巻の見どころはやはり烏丸の旅立ちでしょう。
まず冒頭から地味女Bちゃんの視点で「他者の目から見た烏丸」を描くのが上手い演出過ぎて、完全にやられたなという感じです。地味女Bちゃんはこれまでに烏丸と一番関係があった「人間の同級生」なので彼女の視点で描かれるのは違和感がないですし、かつての「鷹山を見る烏丸」のリフレインにもなっているという。そして地味女Bちゃんも可愛くなっているという。
母親のシーンもそうですけど、田辺先生は目を描く/描かないで演出する技術がありすぎます。

つばめが「繋ぐ者」として覚醒し、人間にもセラフの能力を使って干渉できるようになり、
また、烏丸たちに接触する人間が手段を選ばない接触方法を取ってきたことで、物語は大きく動き出しました。
政府の干渉によって烏丸たちの家族を人質に取るような手段だけでなく、逆に良い待遇を与えることもできる、という人間の交渉の仕方はおおっと思いました。
結果、セラフをなめるなと言わんばかりに、烏丸たちが攻めるきっかけにはなってしまいましたが。

烏丸は母親に別れを告げ、日本を去って鷹山を連れ戻す旅に出る決意をしました。

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この表情、本当にそう思っているようにも、もう人間に対する感情を失ったようにも見えるのがすごいです。
なんでこんなひどい事を書いているかというと、つばめが同行すると聞いて、訴えかけられた時には明らかに照れているように描かれていたり、こうして別れた後に仲間と飛びまわる表情は本当に楽しそうなんです。 あと仲間に「ホントごめん」って言っている時とも何か違うように見えるんです。
家族のもとを去って鷹山を連れ戻す旅に出る、という時点で彼の中で大事なものが変わっているというのもありますし。
このあとのコマでは口を固く結んでいるので、本当に心の底からの言葉だとは思いますが。
龍目さんに謝る時の表情が見えないのもずるい。

そして、鷹山の存在を感知すると起こる(?)「ホワイトアウト」や、
かつて戦ったアイリーンが「黒鎧士」の能力を手に入れての仲間化する烏丸たちの変化と、
中国でのセラフ大量増加、ロビンの反撃準備など、セラフが種として人間を支配する準備が整ってきており、さらに物語が大きく動きそうな予感がしています。
セラフと言えば、ガブリエルの身ごもった子供も気になります。(ちょうど8巻まで読み返しながら、死ぬキャラにしては気合入ったデザインだな、とか、死亡描写が無いなと思っていたので9巻ですぐ出てきて驚きました。しかも美少年じゃなかったのか、と2度驚きました。)
しかし、こう物語が大きくなってセラフVS人類(アダム?)の物語になってくると終着点が見えなくなってきます。最後は日常に回帰できるのだろうか…。

烏丸がホワイトアウトから目覚め、鷹山ではなさそうな奴の登場で10巻に続きます。
誰なんだろう。 

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