2017年01月

2017年01月23日

週刊少年ジャンプ8号感想(2017)

2016年ナンバーワン読み切り「ハトシェプスト」が、ジャンプ+で連載「終極エンゲージ」になるようです。楽しみすぎます。

○火ノ丸相撲

潮対天王寺が続いています。
覚醒した天王寺に対して、進化の兆しを見せた潮、という引きで前回終わっていましたが、今週はたっぷりと潮の進化が描かれました。

進化した潮の相撲は「鬼炎万丈の相」として完成し、佑真の突きと蛍の八艘飛びを見せてくれました。
以前、潮だけの横綱相撲が「火ノ丸相撲」だと形容されていましたが、今回のこれこそが完成した「火ノ丸相撲」という感じで最高です。
次回以降、部長やチヒロの技(戦い方)も出るのかもしれませんが、「相撲に縁遠かった佑真と蛍の二人の技から」という魅せ方が「ダチ高での経験によって潮が得た力」だとわかって最高ですね。

天王寺は「闇」と形容されていますが、彼が纏っているのは水のようにも見えます。
「濁流のように」とも言われていますし、水と対になる潮の火、という見方をすると二人の対比がより際立ちますね。
しかし、天王寺の辿り着いた境地が「闇」というのは、これまでの彼を振り返るとふさわしくないように思うんですが……。高校最後の大会で2回も負ける天王寺の救済編みたいなのが来るのでしょうか。


○鬼滅の刃

1ページ目から驚きました。
鬼殺隊の上に立つ「お館様」は顔面の上半分の皮膚が何かに侵されて、目も見えないようです。
外見で「ただ者ではない」「何か秘密がある」とわかる造形は、今後の彼が掘り下げられることへの期待しかありません。
侵食されているのは皮膚ではなく脳なのかな、と直感で思いましたが果たして。

「顔ぶれが変わらずに半年に一度の柱合会議を迎えられたことが嬉しい」というお館様の言葉から、柱であっても顔ぶれが変わることが示唆されていて、鬼の強大さが伝わるというものです。
あと、柱ですら鬼舞辻に会ったことがない、というのも合わせると味方組織の描写で敵の強さが伝わってきてすごく好きです。

柱の面々、お館様への尊敬と「鬼は滅する」という絶対的な掟を守る矜持が同居しているのがとても良いですね。キャラが一気に増えてどうなるか少し心配していましたが、逆に世界観が一気に広がってさらに好きになりました。

そして今週は何と言っても鱗滝さんの手紙ですね。
冨岡さんの連名のところ、こんなの感情が動かされないわけがありません。
炭治郎が無言で泣くだけの演出も相まって今週号で最高の一場面でした。

それだけで終わらずに、禰豆子が何らかの謎を抱えていることの示唆、そして来週への引きと完璧な1話だったように思います。初連載で、しかもまだ1年やっていないのに物凄い構成力です。


【一行感想】
・約束のネバーランド:巻頭カラーで中ボスが倒されるのはインパクトありますね。こういう作風の他作品が今はないので、完全に地位を確立した感があります。
・ 僕のヒーローアカデミア:3年のトップ3、全員癖がありすぎます。プロヒーローではない高い壁がデクたちにどんな影響を与えるか楽しみ。
・背すじをピンと:先週感じていた終わりそうな予感が的中してしまったのでしょうか…。2年後つっちーがいつだかのオマケとそんなに変わらなくてちょっと笑いました。あと、軽音部の人たちまた留年してませんコレ!?
・デモンズプラン:復讐の相手がより強い奴に負かされていた、ってちょっと悲しすぎませんか。斬新ではありますが、妹のくだりよりも驚いてしまいました。
・歪のアマルガム:三ツ首コンドルでも見た、めっちゃ先まで考えて漫画を描いているのに超スピードで伏線、布石を回収するやつですねこれ。好きなのでコミックス買います。

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
comic_review_10 at 17:55|PermalinkComments(0)ジャンプ感想 

2017年01月19日

「VECTOR BALL」2巻 感想



「米炊くんがいれば 僕たちの勝ちだ…」

※感想を書くのが遅くなったので、3巻まで読んでいます。それも踏まえての2巻感想になります。

はじめに、1巻の感想で盛大な勘違いをしていたので今更の訂正です。
1巻のラストで新太がガッシュ的なアレに変身したと思いこんでいました。ベクターボールを解いたおかか(2巻以降好きになったので米炊呼びはやめます)の力でした。失礼しました。
(でも上手く新太が隠れているので騙された方は他にもいると信じたい)

「ヴェクター」と呼ばれる力を手に入れたおかかは、物質を組み替えてより強い形に変形させることができるようになりました。
雷句先生はハルバードが描きたいんだと1巻の時点では思いこんでいましたが、1話の「机の組み合わせで敵を封殺した」シーンが布石となっていたようです。見事に騙されました。
一手ずつ詰めていくような戦い方は「金色のガッシュ!」の主人公・清麿を思い出しますが、向こうは使える力が電撃だけに決まっていて、手札が限られていました。おかかは自分の力が「組み替える」だけしかできない一方で、他者の力を自在に変形させることができます。
今のところは似ているなと思ってしまうこともけっこうありますが、物語が進むほどに違いが見えてくるのかな。

考えて戦うおかかと対比するように、新太が力を振り絞って一撃を食らわせたのが心地よくて、良いコンビになりそうだな!と思ったのも束の間、まさかの新太退場には驚きました。が、一時的な退場であり、復活するところで盛り上がらないわけがないので今から非常に楽しみです。

新太が去った後、おかかの前はゴムの力を持つ三条雪奈と出会います。
「パートナー」というタイトルの回で出会っているので、ヒロインというよりは相棒になるのでしょうか。2巻の時点では気の強い人だな、と思うくらいでまだこれからという印象です。
そして、味方が出れば敵も出るという感じで、今までとは雰囲気の違うボス格、しかもパワータイプと知略タイプの2人が出てきて、やはりこの作品の武器の1つはスピード感もあるな、と思う2巻のラストでした。

敵のボス格が出てきて、この先一体どうなってしまうんでしょうか。
意外と知略タイプが話のわかる奴だったりしないでしょうか(すでに3巻読んでる奴)。

このエントリーをはてなブックマークに追加
comic_review_10 at 22:17|PermalinkComments(0)

2017年01月17日

「7SEEDS」33巻 感想



「ここにいるでしょ。私と生きなさいよ鷹さん!」

灰色の新巻さんが表紙の33巻。
表紙を初めて見たのが書店だったので、これは不吉だと思いながら買いました。
「空の章」4話~8話までが収録されています。
死が迫る花を救うために、新巻さん、嵐、安居(と涼)が奮闘する中で、新巻さんの危機が描かれます。

新巻さんが花に向けた感情の決着がどういう形になるのだろう?とずっとわからないまま読んでいたんですが、「自分のために死のうとしていた」と気づくことで「花を愛していたわけではなかった」ことも自覚するという何とも残酷な結末でした。
「花をダシにしないでください!」は、これまでの新巻さんの想いを全否定するかなり強烈な言葉ですね。我慢できなくて33巻をいきなり読んでしまったのが勿体なかったです。
というわけで死なずに済みました、新巻さん。よかった。
あゆが死の意味と、自分の気持ちを自覚するきっかけにもなったようです。
長いこと彼女を苦しめた「月が見ている」。これも新巻さんに話すことで少しは和らいだでしょうか。

ここで再起した新巻さんがかえって死にそうな気がしていたり、
その一方で、あゆの「私と生きなさいよ!」を角又の粋な計らいで聞いていない花がいたりするので、いつかの「ぎゅっとしていいですか」がまだ有効なのかな、とか、
田村先生の巻頭コメントを読むとそろそろ終わるとのことで波乱は無しかな、と色々な考えがよぎります。

嵐、花、ナツの物語は終わろうとしている一方で、
まだ最後どうなるかわからない人たちも一定数いるような(安居どうなるんだろう)、読み返したら実は色んな人にフラグが立っているような気もして、34巻が出る前に絶対に全巻再読しようと決意しました。

個人的な34巻(次巻)最大のポイントは「冷凍睡眠している子どもたちが生きているかどうか」です 。
だいぶ前から、最終回で野球をする様子は間違いなく描かれると予想しています。
年老いた嵐たちが自分の子供たちと一緒にではなく、数年後に少し成長したこの子たちと一緒の方が嬉しいので、生きていてほしいです。  

このエントリーをはてなブックマークに追加
comic_review_10 at 22:01|PermalinkComments(0)漫画感想 

週刊少年ジャンプ7号感想(2017)

「鬼滅の刃」が連載開始以来2度目の表紙です。
昨年秋頃から電子版に切り替えたのですが、紙でも買っておきたいくらい炭治郎が格好良いです。

○鬼滅の刃


最近の展開は最高という他にないので、納得の表紙&巻頭カラーです。

ナレーションによって柱は九名だと明言されました。
既に明かされていた冨岡の水、しのぶの蟲だけでなく、今週で炎、音、恋、岩、霞、蛇、風と、全員が何を司る柱なのかが今回だけで判明しました。
かつて柱だった善逸の師匠がこれらの文字どれかに当てはまるか?と考えると何かしっくり来ないので、善逸と同じ「雷の呼吸」を使う、雷柱だったのかな、と。
何が言いたいかというと、柱は人数が決まっていても、何を司るかは本人の資質次第なのかな、ということです。火神楽の舞によって進化の兆しを見せた炭治郎が炎柱を継承したり、風と対になる雷の呼吸を持つ善逸が風柱になったら面白いな、とかも思ったんですけど、善逸は特に師匠との絆が固いですから、柱になるなら雷柱になってほしいですね。

柱の面々は見た目と同じように性格も個性的なようです。
鬼を連れて歩く新人隊士は即殺すべし、という思いは一致しているにしろ各々の思考が漏れ出ているのが面白いです。音柱の人なんかただ殺したいだけですよこれ。
冨岡さんはこの中にいて苦労してそうですね。まともな会話ができる人が全然いなさそうです。
恋柱の人がまだ話が通じそうな言動をしてくれていますが、戦闘スタイルを考えると恐ろしい女性です。「恋の呼吸」って何だというのもありますし、そうなると恋していないと戦えないわけで、鬼に対して恋をして技を繰り出す呼吸を整えて殺すってことですよね。一番ヤバいのでは。

炭治郎が喋りやすいように、と薬を飲ませてくれたしのぶ、「彼女のことだから自白剤を飲ませるくらいはしてるのでは?」と思っていたところ、ツイッターで「飲ませて既に効果が出ているから炭治郎が述べていることに対して意味ありげな表情をしている」というような感想があって膝を打ちました。変な顔してるなとは思ったんですが、ここまでは思い至らず悔しいですね。

来週はついに「お館様」の顔が明らかになるようです。
炭治郎のリアクションからすると、
①父親の仕事関係で会ったことがある
②鬼舞辻無惨に似ている
このどちらかでしょう。
私は全巻初版で持っているファンなので自信があります。
(3巻が出た後に集め始めた奴)


○火ノ丸相撲

体格に恵まれている相撲クラブの子が、潮の取り組みを見て応援したくなっている様子が再戦の前置きとして取り上げられました。
この子にとっても潮と同じで天王寺が憧れで、天王寺に負けてほしいわけではないけど、思わず潮を応援したくなるという。この何気ない描写で会場の空気が少し変わってきているのが伝わるのいいですね。

初めてこの作品を読んでいて辛い気持ちになってしまった鳥取白楼戦の全てを吹き飛ばすかのように潮と天王寺の攻防が熱くて最高です。
どちらの攻めも果敢で、しかし決め手にならないのが大ゴマを駆使しながらもテンポ良く描かれていて、「作中最高の取り組みになる」という読む前からの予感が、序盤の攻防だけで確信になりました。
互いの技を「研究済み」の天王寺と、「知っとる」潮の対比も良いです。

これまでも国宝級の力士たちが発していた黒いオーラを全身に身に纏って「完成した」天王寺に対して潮が見せてくれるのは違う進化のようです。
潮が試合中に進化する、というのは今まであったようで無かった展開なのでこの引きは最高ですね。
天王寺が黒くなって終わりではなく、ここから潮のターン!というのは珍しい引きだったように思います。意外と3週くらいで決着ついてしまうのかも、とも思ったりしました。
来週の月曜日まで冬眠してすぐに次の話を読みたい。


【一行感想】
・ONE PIECE:今週でプリンちゃんが悪い奴で確定したのでしょうか。ここで二転三転されても…というのはあるので、「あんな素敵な奴ら一生出会えない」の良さと共にこのまま解決まで向かってほしいところ。
・ブラッククローバー:何もかもが強引すぎる…。マルス君を暴牛で引き取って1年くらいかけて成長させてからの方がよかったのでは、と思ってしまいました。
・ハイキュー:今まで出来ていなかったことが出来るようになった後輩に応えるようにブロック3枚の上からスパイクを決めた東峰さんも成長した、ってことで良いんですよね。
・ 左門くん:アンリは左門くんにとってもう1人のラスボスみたいなものだと思っているので、メインを張る回は気が引き締まります。今回もギャグ回なのに「友達(ぼく)」とか重要な場面を入れてきたりしますし。伝わってないし。そして裸。
・ダンス部:何か終わりそうですけど、まだまだ先が読みたくなる1話でした。ひらりん可愛い
・ナンバーワン:強いのに可哀想な人!貴方を待っていた!!そして来週はセンターカラー。散髪回以外は長谷川先生の本領が発揮されないままここまで来ている感があるんですが、小学生にはウケているのかもしれない(塵よりは親しみやすいな、と気づいた)。とても喜ばしいです。
 ・アマルガム:まだ最下位を脱せない…!ヒロインとの再会はもっともっと溜めてから読みたかった展開です。が、彼女がすぐフェードアウトしてバトルが始まったので安心していいのか。どうなんだ。上空から海に落ちて無人島に漂着して第2部が始まったりするのか!?

このエントリーをはてなブックマークに追加
comic_review_10 at 00:08|PermalinkComments(0)ジャンプ感想 

2017年01月16日

「青の祓魔師」18巻 感想



「全ては青い夜から始まった」

シュラを主役とする中編の決着と、勝呂とライトニングが奥村兄弟の出生の秘密を解き明かす中編(長編?)の導入となる巻でした。
 
まずはシュラ編(青森編?)です。
霧隠シュラという女性は、この作品の中ではそんなに好きではない方なのですが、しえみや出雲がかなり好きなせいもあるので、この中編を通して少し好きになれた気がします。
自分に別の道を教えてくれた獅郎が死んでしまって、あとは短い寿命を終えるだけだった彼女が、獅郎の息子たちに再び救われるというのはベタですけど良いですね。
ただ、死の運命を乗り越えたからと言って、このあと死ななくなったわけではないのが恐ろしいところです。メインキャラでも死にそうな作品なので、シュラが死んだ後に燐が刀を受け継いで、別の悪魔を憑依させた二刀流とかないですよね。(何れにせよ、別の悪魔を憑依させるフラグは立った)
剣が弱くなってしまったのが悪い方に働かなければいいのですが……。とりあえず薄着はやめてもらいたいです。

この中編に最後に描かれた、志摩と雪男のやり取りも好きです。
志摩が本気で二重スパイをやっているのが伝わってくるのと、
雪男がまた一歩(以上?)追い詰められたのも伝わってくるのが良いです。
「雪男のための中編」はこの先もきっと無くて、他の誰かが主役の中編が1つ終わるごとに少しずつ追い詰められていく雪男という構図がずっと続くのでしょう。そして雪男が主役になる時は、最後の決断をする時なのかな、と。
「大局を見なくては」と思いながら思いきり追い詰められている雪男の図はかなりヤバいものがあります。頑張れ、雪男。

中盤からはけっこう好きなライトニングと勝呂のターンです。
ライトニングは「人間が好きだから」祓魔師をやっていると言った時に大分好きになったんですが、今回の描写だと志摩にまともに死ねないと言い放ったり、勝呂に止めてもらって礼を言うところでさらに好きになりました。本質が垣間見えたこれらの瞬間と、前述の「人間が好き」を重ねると、普段はあんなだけれど人間のために動いて考えられる人なんだなとわかって、実は作中で一番人間らしいのでは?と思ったりしました。
なんで勝呂が?と思ったのも、ブレーキになった所でカチッとハマった感じがします。ライトニングが好きな人間が勝呂みたいな奴ってことですよね。

燐にとってはすべての始まりである「青い夜」に親友の勝呂が迫っていくのは予想外ですが面白いです。
この作品はかなり設定が作り込まれているので、過去編が描かれるだけで楽しみで仕方ありません。
「青い夜」が詳しく描かれるのか、出生についてだけ少し掘り下げられて謎を残して終わるのかはわかりませんが(加藤先生の巻頭コメントからして後者?)、これまで燐と雪男を生んだ女性の名前くらいしか出てきていなかったので、彼女の容姿くらいは見られると期待したいです。

最後に余談。
杜山しえみは人間なのか?という問題が浮上してきたのは考えすぎでしょうか。
人物や世界設定を作り込んでいる加藤先生が登場人物紹介で「しえみの母親」と表現しているのが、妙に疑わしいです。ここで伏せられているということは、少なくとも別姓なのは確定ではないでしょうか。燐と雪男の過去編が終わって、しえみが進路を決める番になったら何かしらの秘密が明かされるのかもしれません。
何の訓練もしていないのにニーちゃんの召喚ができたなど、能力が高いのはちらほら描写されているくらいしか怪しい描写はないし、しえみも人間じゃないとなるとメインキャラに人外多すぎ問題にも発展してくるので微妙なラインではあります。出雲のナイスツッコミ「妖怪かよ」が笑えなくなるのも嫌ですし。
ただ、母親の口ぶりだと祓魔師になれないのは確定のようなので、一定の年齢になったらどこかに引き取られる運命にあるのかもしれません。燐との恋愛話と絡めると、許婚がいるくらいなのかな。

アマイモンの編入など現代での変化も気になるので19巻も引き続き楽しみです。
アニメ(京都不浄王編)も2話まで見たところ、かなり原作に忠実になっているので、新しい発見ができるように原作の再読も併せて追っていきたいです。

このエントリーをはてなブックマークに追加
comic_review_10 at 00:00|PermalinkComments(0)漫画感想