冒険王ビィト

2017年02月15日

「冒険王ビィト」6巻 感想



「あの程度で圧死なんかされちまったら 誰が!?どうやって!!?このオレの怒りを鎮めんだよ!」

グリニデ編佳境の6巻です。
前巻の続きでミルファの顔見せと、ポアラの成長、そしてついに始まったグリニデ戦が収録されています。

ビィト達よりもレベルが高いバスターとして登場したミルファ、なんと初登場で才牙まで披露してくれました。
5巻の感想で「肉弾戦を得意とするようなので、打撃に特化した才牙かな」という予想をしたのですが、巨大なレンチのような才牙でした。確かに物理攻撃力は高そうですが、意外な方向性で驚きました。
ビィトやスレッドの才牙のようにどういった能力を秘めているのかは明言されていないので、今回のように地中に潜った魔物を挟んで押し上げるだけのはずがありません。高さのある金属の塊なのでミルファ自身が雷になって落ちる必殺技の着弾点になるとか、そんな使い方も出てくるのでしょうか。
再登場フラグは立っているので、グリニデ戦に駆け付けてくれる可能性もありそうです。

ポアラもついに活躍です。ついにとは言いましたが、彼女の有する天撃の特質がキッスやミルファとは違うというのを見せるために、自分より優れた天撃使いが2人現れるまでは活躍できなかっただけでした。今後はガンガンやってくれそうです。
炎の得意なポアラ、氷の得意なキッス、雷の得意なミルファと得意分野が分かれてきたのもいいですね。

さて、ついにグリニデ戦です。
「血風!グリニデ城」という表題が付けられているので、「深緑の智将」グリニデが城に仕掛けた罠や魔物にビィト達が苦戦する展開があるのかな、なんて思ったのですが、本性を抑えられなくなったグリニデ自身によって城が壊滅しているという驚きの展開でした。
そしてそのまま流れるようにグリニデ戦へ突入していくわけですが、その前にギリギリ冷静なままで踏みとどまっていたグリニデによって新しい情報がいくつか開示されました。なかでも「八輝星」というワードは今後重要になること間違いありません。ベルトーゼすら未だ届いていない八つ星ヴァンデル…現時点で存在するかどうかもわかりませんが気になりすぎます。

グリニデが真の姿を見せてからは、ずっと彼のターンです。
2話ぶんまるまるバトルしていますが、ビィトたちがこれまで使ってきた技が通用しないという描写ばかりで、グリニデの純粋な強さが際立つバトルになっています。ベルトーゼは偽物だったので本当の意味での大ボス戦はこれが初なので、なんというか読んでいるだけで別格だとわかるのが最高ですね。仮の姿と本当の姿とのギャップも好きです。
ビィトは最後にボルティックアックスを使用し、何とか善戦をできるようになりましたが…まだまだ勝ち目は見えません。増援があるのか、仲間の誰かが覚醒するのか、ビィト自身が覚醒するのかわかりませんが、ここからどう逆転できるかワクワクします。

ノアという新たな七つ星も出てきてしまったので、おそらく次の7巻でグリニデとの決着がつくのでしょう。
気になるのはグリニデが自分の本性が嫌いだから知性の仮面を身につけたかっただけなのか、あるいは七つ星や八輝星に憧れた誰かがいてそうなりたかったのか、というところです。
ダンゴールに見せた最後の優しさでどうにも嫌いになれなくなったので掘り下げや格好良い散り様を期待してしまうのでした。


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2017年02月12日

「冒険王ビィト」5巻 感想



「おれたちは全員本物になる。おれもっ…ポアラも…もちろんキッスだってな!!」

サイクロンガンナーを覚醒させたビィトとフラウスキーの決着、ロズゴート戦、そして新たなバスター・ミルファの登場が描かれた5巻です。

まずはフラウスキー戦決着です。使い方がわかったサイクロンガンナーによってフラウスキーはもう相手にならなくなってしまいましたが、5巻の終盤だけを切り取っても非常に良いバトルでした。フラウスキーの性格がはっきりしているので、コロコロ心変わりをするキッスへ向けた苛立ちと、負けたあと「ビィトはただ者ではない」とわかってからの諦めと、終始一貫して嫌いになれない奴でした。大ボスではありませんでしたが、表紙を飾っただけのことはありました。
サイクロンガンナーが連射可能だけでなく、全弾開放と、遠距離まで攻撃が届くライフル型に変形して一気にコマを3つ進めた感じなのがいいですね。 あと、銃自体が呼吸をしている、ではなく、呼吸している銃と使い手が呼吸を合わせないと使いこなせないという設定が「才牙」らしくてとても好きです。

続いて流れるように突入したロズゴート戦です。グリニデの配下になったふりをして死んだ後に手柄を横取りする ヴァンデルが1人くらいいて、それがロズゴートかなと思っていたので、ここで現れたのが意外でした(考えすぎ)。が、キッスが覚醒するにはここしかなかったのでしょう。そして、キッスにしか倒せない相手だった、と。
キッスの覚醒と戦闘後にビィトに本心を吐露するのは、「ダイの大冒険」でこれでもか!と多くの人物の挫折と成長を描いてきた三条先生ならではでした。みんながビィトのように超人ではない、とこれから仲間になるやつに言わせるのはいいですね。
天撃を放つ時のアクション(投げキッスのような動作)と「Chi」という効果音がだいぶ嫌ですが、強いから我慢します。慣れるのかコレ…
あと、サブタイトルになっている「おれの胸で泣け!」がまさか同性であるキッスのことだとは思わずたまげました。頑張れポアラ。
ロズゴートはただやられるだけでなく、グリニデの器の小ささも過去回想で語ってくれて、「深緑の智将」がやはり自称だったことも判明しました。グリニデ戦が近付いてきたので、どうやって勝つのだろうとワクワクしてきました。

最後はミルファ登場です。
ブロードバスターという新しい設定をひっさげて登場した彼女、強さよりも動きのあるページではだいたい全部パンツが見えているのが気になります。もしかしてパンツじゃないのか。
雷の天撃を自分に落し、強化して戦うスタイルのようで5巻で才牙は未登場ですが、格闘を強化するタイプなのでしょうか。

毎巻ポアラの心配ばかりしていますが、多彩な才牙を持つビィト、天撃の天才キッス、バスターとして完全に上を行っているミルファと各々の個性が揃ってきたなかでポアラの役割とは…と不安になってきました。
このままビィト戦士団のかーちゃんになってしまうのでしょうか…?それか治療役なのか。
グリニデ城でポアラが覚醒すると信じて…と思ったところで「才牙が発現する瞬間」が作中で初めて描かれる人物なのでは!?と気づきました。頑張れポアラ。 

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2017年02月05日

「冒険王ビィト」4巻 感想



「おれが…おれが弱かったんだっ…!!!」

 グリニデ編スタートの「冒険王ビィト」4巻です。第3の仲間!と表紙でタイトルが付きつつも表紙の魔人・フラウスキーの方が目立っている1冊でした。

 ベルトーゼの分身体を倒したビィトはポアラと共に「ビィト戦士団」として旅を再開し、3人目の仲間を求めてグリニデの勢力圏であり強いバスターがいる黒の地平がある大陸へ降り立ちました。以前の描写でグリニデは「樹の章」という図鑑からモンスターを増やしていました。樹という言葉からイメージする通り、また、1人だけ出ていた配下のダンゴールと同系統の虫や、植物をモチーフとしたヴァンデルが3人一気に登場しました。
3つ星のベンチュラは1巻のムガインよりも弱そうで、ロズゴートはフードで顔を隠しており星もわからず現時点ではグリニデよりも不気味です。
そして、この巻のボス・フラウスキーですね。5つ星で銃使いの暗殺者で可愛いもの好きと、また強烈なキャラクターです。ビィトにサイクロンガンナーで2回やられたものの、心臓部を動かして死亡は免れるしぶとさを持っており、1冊で倒しきることができませんでした。

 ヴァンデルが一気に増えた一方で、ビィトはフラウスキーから人間を守れず殺されてしまったり、3人目の仲間となりそうなキッスがグリニデの部下になっていたりと散々です。特に目の前で人間を殺されてしまった件はベルトーゼの時も無かったことだというのが堪えますね。

 キッスはビィトが修行中に出会った天撃使いで、そのまま仲間になってくれたらよかったんですが、色々あって人間を信じられなくなっていると。女性陣と比べても優しそうな顔をしているので良い奴なのかなと思いこんでいたので、このギャップというか落ちぶれてしまった感じは意外でやられたなという感じでした。
 キッスの心変わりの契機になったヴァンデルは連載再開のあたり戦っていたバロンとかいう奴ですね。そう考えると、13巻で最上級のヴァンデルと一戦交えるわけで、20冊くらいで終わる物語なのかなと余計な事も考えてしまうのでした。

 ビィトがサイクロンガンナーの連射方法を見つけ、フラウスキーとの決着へ!というところで5巻に続きます。毎度思いますが、次がめちゃくちゃ気になる引きで最高ですね。
キッスの覚醒、ロズゴートの戦闘、 そしてやっぱり戦闘面での活躍が少ないポアラの出番に期待します。

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2017年01月29日

「冒険王ビィト」3巻 感想



「でも…逃げたくなかったんだ…!」

 「冒険王ビィト」3巻です。成長したビィトの前に現れたベルトーゼとの戦闘は当然避けられず、エクセリオンブレードによる必殺・ゼノンウィンザードを直撃させ…という2巻のラストでした。
どう見ても倒せていなかったので、ここからベルトーゼにどう負けてしまい、ビィトの心がどう折れてしまうのか…という心配しか無かったのですが、杞憂でした。意外にも、3巻はまるまるVSベルトーゼで、勝つところまで描かれています。

 まずはビィトの敗北から始まります。ゼノンウィンザードはビィトの未熟さに耐え切れず崩壊し、ゼノン戦士団に託された才牙を扱い切れていないことがベルトーゼから指摘されてしまいました。読者は読んでいてわかる情報でしたが、作中で言及されてスピード感あるのに丁寧な作劇だなと思いました。
サイクロンガンナーは1発、ボルティックアックスは生成が遅く敗北の原因になる、と、この2つは先が長そうです。
 この敗北を通してビィトが語った「いま逃げたら、この先もずっと逃げ続けることになる」という主張は熱いですね。天然型の主人公で、いまいちキャラクターが掴めなかったんですが、ここで一気に好きになりました。

 敗北したビィトを逃がすために現れたのはスレッドでした。
槍使いでメインパーティー候補の1人なので、バーニングランスをやがて使うようになるのかなと考えていたんですが、彼はレベル32にして自分の才牙・サイレントグレイブを持っていました。作中6つ目にして「透明で極薄の刃なので見えない」という個性的な物が出てくるとは意外です。ビィトよりもベルトーゼの肉体を深く切り裂いているので、今回は負けてしまいましたが伸びしろがありそうな才牙ですね。

 精神世界でゼノン戦士団から激励を受けて復活したビィトはクラウンシールドの力を引き出して勝利することができました。 元の持ち主・クルスがやっていたように毒を消しさる能力と、シールドを鉄球に変化させられるようになった、と。自分が邪魔をしなければゼノン戦士団はこう勝っていた、とビィトが悔しがるのも良い勝ち方ですね。

 さて、ベルトーゼを倒したところで次はグリニデ…とはいかず、どっこい生きてたベルトーゼです。何らかの理由で本体は動けず、分身体だったそうな。グリニデにも死んだと思われているし、シャギーも言わないし、何か嫌な関係で笑ってしまいます。 
 
 グリニデが七ツ星に昇格し、 いよいよ3巻からは本格的に「グリニデ編」というところでしょうか。
ビィトには3人目の仲間が登場する予感と、ポアラの新装備・鉄甲銃が良い感じで、次の冒険が楽しみです。 

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2017年01月28日

「冒険王ビィト」2巻 感想



「ゼノンウィンザードだっ!!!」

「冒険王ビィト」2巻です。めちゃくちゃ面白いですね。
12巻のあとずっと待っていた人たちの忍耐力に感服しつつ、1冊感想を書くまでは次を読まないようにして、ゆっくり楽しく読ませてもらっています。

まず、1巻の感想で触れた部分や、気になる点を羅列していたのがほぼ全部描かれていたことに驚きました。
(才牙の力をさらに引き出すビィト、ベルトーゼとの戦闘、エクセリオンブレードの使用など)
展開が早いのに面白いのは

2巻冒頭では「魔賓館」が登場しヴァンデル側の設定が語られ、敵の魅力がかなり上がりました。
人間がバスターになってヴァンデルを倒すように、ヴァンデルも人間を倒した功績が評価されるシステムがある、というのは面白いですね。そして明らかにただ者ではないシャギー館長も気になります。(キルバーン的な雰囲気がある。)
あと何故かベルトーゼがキメ顔をしたり「ニヤリ」という効果音が付く度に笑ってしまいます。戦闘時に全裸になるのとかもツボに入ってしまって、最高位の七ツ星魔人に全然見えないのが辛い……。

魔人と言えばもう1体、六ツ星魔人のグリニデも登場しました。
ビィトが少年だった時のベルトーゼよりも星が多いので、かなりの強敵になるのは間違いないようです。
(うすぼんやりですが、こいつを倒したところまでは読んだはず。)
「深緑の智将」という二つ名を自分で付けたのがバレバレの初登場から、部下・ダンゴールとの主従関係、ベルトーゼとの舌戦などでキャラが立ちまくりで、一発で好きになりました。卑怯な戦法を好むのが、自分の暴力的な本性を隠すため、というのもいいですね。
「殺しておくかな…この場で」のコマは間違いなく強者の威圧感が出まくりで、本領発揮が楽しみです。
 
ビィトは大型のザコモンスターを相手にバーニングランスの力を少し引き出したり、
グニリデを出し抜いたり、ベルトーゼを相手に善戦し、ゼノンの才牙「エクセリオンブレード」を使った必殺・ゼノンウィンザードまで披露してくれましたが、3巻ではベルトーゼの本気に心を折られる展開になりそうです。

短い描写ですが、バスター仲間(ライバル?)のスレッドも登場しました。
だいぶ先の話ですが、10巻の表紙にスレッドがいますね。
彼は槍使いのようです。ポアラが銃を使うフラグが立ったのと合せて考えると、そのうちビィトの持つ5つの才牙が分裂して、メインパーティーが1つずつ持って「ゼノン戦士団」を彷彿とさせる集団になっていくのでしょうか。
ポアラのリアクション芸はとても好きです(口を大きく開くのが可愛い)が、彼女が戦闘で活躍するのも見たいです。 

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