漫画感想

2017年02月08日

「火ノ丸相撲」13巻 感想



「会場にいる誰も…戦ったワシさえも…久世草介の『全力』を知らない…」

12巻のチヒロ対典馬が面白すぎたのと、ジャンプの最新話が最高すぎたので、これ読んで同じくらい楽しめるかな…という不安を吹き飛ばしてくれる1冊でした。天王寺対久世だけではない「火ノ丸相撲」13巻です。

表紙の通り、この巻のほとんどで作品を通して初の脇役に回ったダチ高ですが、蛍の覚悟を筆頭に次の試合に向けての「溜め」がじっくり描かれた1冊かなと思います。
14巻で蛍は壮絶な戦いに挑んでいくわけですけれども、そこで潮が彼のことをどう評価するかという布石が置かれていることが再読して改めてわかりました。そして、潮の信頼があるからこそ蛍は戦い続けられるんだな、とも。
蛍は桐仁の本音を引き出したこともありますし、「潮の同学年の初心者」という彼が与えられた特別な立場で、相撲へ取り組む「心」で潮や桐仁を認めさせる凄い奴なんだな、と改めて気付かされました。

余談ですが、蛍の異能である「変化」についての潮の評価、これ15巻くらいの感想で改めて触れたいんですけど、「ワシが試合でやっても(中略)価値に結び付くとも思わん」とか「その技には"魂"が込もっておる」とか断片的なフレーズがアレになっていて非常にアレですね。部屋でのトランプも今見るとグッときますね。この辺は15巻感想でちゃんと書きます。

本筋に戻ります。ダチ高といえば潮です。完全復活した潮は沙田を擁する石神高校の力を借りて、天王寺と草介の頂上決戦の裏側で進化を遂げます。
団体として弱かったダチ高を知っている石神こそが学校としてはライバルなのは間違いないので、ここで再度光が当たるのは本当に嬉しいです。監督の男泣きや沙田の再起はあの場で描かれていましたが、石神の未来も見てみたかったので。
特に金盛主将は全国編から弱気な所を何度も見せていたので「途中で挫折する強者として描かれて終わってしまうのかな」という不安もあったんですが、彼もまた再起してくれてよかったです。

無題

この顔を見ると、ああもう大丈夫だなとわかるのでとても好きな表情です。作中ベストかもしれません。
天王寺に完敗した後に相撲を止めたくなった高校生はかなりの数いそうなので、再起させてくれる潮と対比になっている部分はあるのかな。天王寺と対になっているのはこの巻だと完全に草介ですけど。

ということで、天王寺対草介です。
全国大会が始まってすぐに潮が敗北をして「全国編のラスボスは天王寺獅童である」という先入観を植え付けられていたので、草介も潮を敗北させた力士であるということを忘れそうになっていたんですが、109話の引きと110話の導入で思い出さざるを得ません。
そして試合が始まる直前の静寂からの激しいぶつかり合い、展開の読めない攻防からの互いの覚醒と、主役を食う勢いでした。
主人公の火ノ丸が小兵なので、「国宝」の大型力士同士が真っ向からぶつかるのが実は初めてというのも大きいですね。
結果はあえて書きませんが、先の展開も踏まえて先に「相」という概念に辿り着いた方が勝ったと見ていいんでしょうか。負けた方は、それらしい姿にはなったものの一歩踏み込めなかったのかな、と思ったり。

天王寺は妹の咲ちゃんが土俵の外での味方代表として試合を見てくれていましたが、草介の方は狩谷くんが同じ役割を持たされていてヒロインかとツッコミたくなりました。(団体で試合がある(桐仁と戦う)と踏んでいるので笑える部分もあるので、狩谷くんの試合にも期待しています)

さて、最後はいよいよダチ高対鳥取白楼の団体戦準決勝が始まりました。
先鋒が部長という意外な展開で始まった準決勝、この先もコミックスで読み返すのが楽しみです。

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2017年02月05日

「冒険王ビィト」4巻 感想



「おれが…おれが弱かったんだっ…!!!」

 グリニデ編スタートの「冒険王ビィト」4巻です。第3の仲間!と表紙でタイトルが付きつつも表紙の魔人・フラウスキーの方が目立っている1冊でした。

 ベルトーゼの分身体を倒したビィトはポアラと共に「ビィト戦士団」として旅を再開し、3人目の仲間を求めてグリニデの勢力圏であり強いバスターがいる黒の地平がある大陸へ降り立ちました。以前の描写でグリニデは「樹の章」という図鑑からモンスターを増やしていました。樹という言葉からイメージする通り、また、1人だけ出ていた配下のダンゴールと同系統の虫や、植物をモチーフとしたヴァンデルが3人一気に登場しました。
3つ星のベンチュラは1巻のムガインよりも弱そうで、ロズゴートはフードで顔を隠しており星もわからず現時点ではグリニデよりも不気味です。
そして、この巻のボス・フラウスキーですね。5つ星で銃使いの暗殺者で可愛いもの好きと、また強烈なキャラクターです。ビィトにサイクロンガンナーで2回やられたものの、心臓部を動かして死亡は免れるしぶとさを持っており、1冊で倒しきることができませんでした。

 ヴァンデルが一気に増えた一方で、ビィトはフラウスキーから人間を守れず殺されてしまったり、3人目の仲間となりそうなキッスがグリニデの部下になっていたりと散々です。特に目の前で人間を殺されてしまった件はベルトーゼの時も無かったことだというのが堪えますね。

 キッスはビィトが修行中に出会った天撃使いで、そのまま仲間になってくれたらよかったんですが、色々あって人間を信じられなくなっていると。女性陣と比べても優しそうな顔をしているので良い奴なのかなと思いこんでいたので、このギャップというか落ちぶれてしまった感じは意外でやられたなという感じでした。
 キッスの心変わりの契機になったヴァンデルは連載再開のあたり戦っていたバロンとかいう奴ですね。そう考えると、13巻で最上級のヴァンデルと一戦交えるわけで、20冊くらいで終わる物語なのかなと余計な事も考えてしまうのでした。

 ビィトがサイクロンガンナーの連射方法を見つけ、フラウスキーとの決着へ!というところで5巻に続きます。毎度思いますが、次がめちゃくちゃ気になる引きで最高ですね。
キッスの覚醒、ロズゴートの戦闘、 そしてやっぱり戦闘面での活躍が少ないポアラの出番に期待します。

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2017年01月29日

「冒険王ビィト」3巻 感想



「でも…逃げたくなかったんだ…!」

 「冒険王ビィト」3巻です。成長したビィトの前に現れたベルトーゼとの戦闘は当然避けられず、エクセリオンブレードによる必殺・ゼノンウィンザードを直撃させ…という2巻のラストでした。
どう見ても倒せていなかったので、ここからベルトーゼにどう負けてしまい、ビィトの心がどう折れてしまうのか…という心配しか無かったのですが、杞憂でした。意外にも、3巻はまるまるVSベルトーゼで、勝つところまで描かれています。

 まずはビィトの敗北から始まります。ゼノンウィンザードはビィトの未熟さに耐え切れず崩壊し、ゼノン戦士団に託された才牙を扱い切れていないことがベルトーゼから指摘されてしまいました。読者は読んでいてわかる情報でしたが、作中で言及されてスピード感あるのに丁寧な作劇だなと思いました。
サイクロンガンナーは1発、ボルティックアックスは生成が遅く敗北の原因になる、と、この2つは先が長そうです。
 この敗北を通してビィトが語った「いま逃げたら、この先もずっと逃げ続けることになる」という主張は熱いですね。天然型の主人公で、いまいちキャラクターが掴めなかったんですが、ここで一気に好きになりました。

 敗北したビィトを逃がすために現れたのはスレッドでした。
槍使いでメインパーティー候補の1人なので、バーニングランスをやがて使うようになるのかなと考えていたんですが、彼はレベル32にして自分の才牙・サイレントグレイブを持っていました。作中6つ目にして「透明で極薄の刃なので見えない」という個性的な物が出てくるとは意外です。ビィトよりもベルトーゼの肉体を深く切り裂いているので、今回は負けてしまいましたが伸びしろがありそうな才牙ですね。

 精神世界でゼノン戦士団から激励を受けて復活したビィトはクラウンシールドの力を引き出して勝利することができました。 元の持ち主・クルスがやっていたように毒を消しさる能力と、シールドを鉄球に変化させられるようになった、と。自分が邪魔をしなければゼノン戦士団はこう勝っていた、とビィトが悔しがるのも良い勝ち方ですね。

 さて、ベルトーゼを倒したところで次はグリニデ…とはいかず、どっこい生きてたベルトーゼです。何らかの理由で本体は動けず、分身体だったそうな。グリニデにも死んだと思われているし、シャギーも言わないし、何か嫌な関係で笑ってしまいます。 
 
 グリニデが七ツ星に昇格し、 いよいよ3巻からは本格的に「グリニデ編」というところでしょうか。
ビィトには3人目の仲間が登場する予感と、ポアラの新装備・鉄甲銃が良い感じで、次の冒険が楽しみです。 

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2017年01月28日

「冒険王ビィト」2巻 感想



「ゼノンウィンザードだっ!!!」

「冒険王ビィト」2巻です。めちゃくちゃ面白いですね。
12巻のあとずっと待っていた人たちの忍耐力に感服しつつ、1冊感想を書くまでは次を読まないようにして、ゆっくり楽しく読ませてもらっています。

まず、1巻の感想で触れた部分や、気になる点を羅列していたのがほぼ全部描かれていたことに驚きました。
(才牙の力をさらに引き出すビィト、ベルトーゼとの戦闘、エクセリオンブレードの使用など)
展開が早いのに面白いのは

2巻冒頭では「魔賓館」が登場しヴァンデル側の設定が語られ、敵の魅力がかなり上がりました。
人間がバスターになってヴァンデルを倒すように、ヴァンデルも人間を倒した功績が評価されるシステムがある、というのは面白いですね。そして明らかにただ者ではないシャギー館長も気になります。(キルバーン的な雰囲気がある。)
あと何故かベルトーゼがキメ顔をしたり「ニヤリ」という効果音が付く度に笑ってしまいます。戦闘時に全裸になるのとかもツボに入ってしまって、最高位の七ツ星魔人に全然見えないのが辛い……。

魔人と言えばもう1体、六ツ星魔人のグリニデも登場しました。
ビィトが少年だった時のベルトーゼよりも星が多いので、かなりの強敵になるのは間違いないようです。
(うすぼんやりですが、こいつを倒したところまでは読んだはず。)
「深緑の智将」という二つ名を自分で付けたのがバレバレの初登場から、部下・ダンゴールとの主従関係、ベルトーゼとの舌戦などでキャラが立ちまくりで、一発で好きになりました。卑怯な戦法を好むのが、自分の暴力的な本性を隠すため、というのもいいですね。
「殺しておくかな…この場で」のコマは間違いなく強者の威圧感が出まくりで、本領発揮が楽しみです。
 
ビィトは大型のザコモンスターを相手にバーニングランスの力を少し引き出したり、
グニリデを出し抜いたり、ベルトーゼを相手に善戦し、ゼノンの才牙「エクセリオンブレード」を使った必殺・ゼノンウィンザードまで披露してくれましたが、3巻ではベルトーゼの本気に心を折られる展開になりそうです。

短い描写ですが、バスター仲間(ライバル?)のスレッドも登場しました。
だいぶ先の話ですが、10巻の表紙にスレッドがいますね。
彼は槍使いのようです。ポアラが銃を使うフラグが立ったのと合せて考えると、そのうちビィトの持つ5つの才牙が分裂して、メインパーティーが1つずつ持って「ゼノン戦士団」を彷彿とさせる集団になっていくのでしょうか。
ポアラのリアクション芸はとても好きです(口を大きく開くのが可愛い)が、彼女が戦闘で活躍するのも見たいです。 

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2017年01月24日

「冒険王ビィト」1巻 感想



「大丈夫!みんなが寝てる間にちょっとだけいい明日にしておくよ!」

作画の稲田先生が長期休養から復帰し、2016年に再始動した「冒険王ビィト」を今さら集め始めました。
10年くらい前に当時の最新刊まで読んで絶対に集めようと思っていたものの、いつの間にか休載してしまって新品で買うタイミングを逃してしまっていたので、こうして機会が巡ってきて嬉しい限りです。
1巻が出たのが2002年ということですが、最近読んだ1巻の中でもかなり面白くて買ってよかったと思っています。
間違いなく王道の少年漫画なんですけど、「ダイの大冒険」を描いていたタッグなのでもの凄く高いレベルで安定していて、読みやすさが尋常ではないです。

人間を苦しめる「魔人(ヴァンデル)」と呼ばれる悪の存在が現れた「暗黒の世紀」に立ち向かう戦士 「バスター」の冒険を描いた作品です。
ビィトという少年が主人公ですが、彼がバスターに憧れるただの少年だった1話から、成長した姿を見せてくれる2話と3話が1巻には収録されています。

1話はビィト少年の視点でバスターと魔人の戦いが描かれるだけでなく、ゼノン戦士団という最強のバスター達から見たビィトの資質の高さ、ゼノンの決断と仲間が同調する理由がさらっと描かれているのが好きです。
(ゼノン戦士団については今後掘り下げられる可能性が大いにある、という前提が頭にあってこそかもしれませんが)
大ボスになるであろうベルトーゼにゼノン達が勝てそうだったのもバランスが良くて好きな要素です。
あと、5種類もの「才牙」(必殺武器のようなもの)が登場したものの、外見だけが描かれた後は「ビィト少年からレベルが違い過ぎて神々の争いに見えた」的なナレーションで戦闘描写をすっ飛ばして「極めた才牙ならここまで出来る」というのが伏せられているのが上手いですね。(ちょっと卑怯ではありますが)
2話と3話でビィトが才牙を使って敵のボスを倒しますが、どの程度使えているのかが読者にはわからないので、私の中でのゼノン戦士団の株はビィトのおかげで上がり続けるのでした。

2話と3話は「暗黒の世紀を終わらせる男」として魔人討伐の旅に出るビィトの本当の顔見せエピソードが描かれます。ゼノンたちの魂を受け継いで5種の才牙を手に入れたビィトが弱いわけがないので、やられ役として出てきた魔人ムガインは可哀想でした。が、2つの「才牙」を使わせたのは何らかの情報として魔人側に伝わるかもしれないので、よくやってくれたのかもしれません。

最強のバスターしか持ち得ない「才牙」を5つも持つビィトがどこで苦戦するのか、エクセリオンブレードをいつ使うのか、ヒロインのポアラも「才牙」を手にするのか、など気になる要素が盛りだくさんで、少年漫画が好きなので先の展開にかなりワクワクしています。
(10年くらい前に1回読んでいますが、1回読んだだけなのでほとんど忘れています。ありがたい)
が、何よりもベルトーゼが小物感まる出しのまま終わるのか、最終的に大物に成長するのかどうかが最大のポイントです。「ダイ」タッグの作品なので味方の成長よりも敵の成長に期待してしまいます。
あと、喋る扉が何故か可愛く思えてしまったので、ビィトの村以外にも出てくることを期待します。

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