考察みたいなもの

2018年03月11日

「鬼滅の刃」禰豆子について考えてみる






「鬼滅の刃」10巻が発売しました。
10巻には遊郭編の中盤戦まで収録されています。
正直なことを言うと、この遊郭編の戦闘が長すぎて脱落しかけたのですが、その先が面白すぎたので引き続きコミックスを購入しています。
というのも、この作品は謎が多く、戦闘よりもストーリーが進む回が好きだからです。

まだ10巻なので、物語の核心に迫っていくのはまだ先かもしれませんが、気になる要素が多いのと、情報の小出しが上手すぎて、ストーリーが進むたびに考えずにはいられません。

日の呼吸(ヒノカミ神楽)や他の呼吸≒鬼殺隊の歴史や、鬼舞辻無惨についても考えることが多くて気になりますが、今回は禰豆子について考えてみました。


〇鬼としての禰豆子

基本情報の確認です。

無題 無題3
町で評判の美人(炭治郎 談)だったが鬼へ……

・竈門家が鬼舞辻に襲われた際、鬼になってしまった
人の血肉を必要としない〔普通の鬼と真逆の要素〕
・眠ることで回復をしている(鱗滝の推測)
・鬼化して鱗滝に出会って後、2年間眠っていた
・鱗滝から”人を傷つける鬼を許すな”と暗示をかけられている
・身体が子供になったり大人になったりする
・鬼舞辻の"呪い"を自力で外している(後述)

もう一つ、人語を話すことができないのも特徴でしょうか。
この点については、鬼舞辻が鬼に変えた男性(13話、14話)も同様だったので、人間を喰うことで強くなるのと同様、知性も高まっていくのかもしれません。

鬼が敵である作品でありながら、人を守る鬼としてもう一人の主人公のような立ち位置にいるのが禰豆子です。


〇禰豆子の強さ

戦闘シーンを見返してみました

・最初に遭遇した鬼(最低3人を喰らっている)の首から上を蹴り飛ばして切断
・「冷静になれ俺よ」の異能の鬼(女性をたくさん喰らっている)から見て強い
・朱紗丸(鞠の鬼)の攻撃で足がもげる → 戦闘中に同じ攻撃を「蹴り返す」ように
・累(下弦の伍)との戦闘で鬼血術"爆血"に目覚める
・珠世から見て「回復が遅い」 → 再生速度がすごい:10巻時点では上弦に匹敵

片手で数えられるほどしか戦っていないのに強くなりすぎです。
主人公の炭治郎が修行しているシーンがやたら多いのと対照的で、眠っている時間の分だけ強くなっているとしか思えないのですが……。
(死者から語りかけられるシーンが多いので無いとも言い切れない)

堕姫との戦いでは、怒りによって今までで一番鬼らしい姿に変貌してしまいます。

IMG_6243

外見の年齢が今までで一番高いことも考えるポイントになりそうですが、ここで気になるのは身体に浮かび上がった葉の紋様です。
作中で出てきた単語から植物を連想すると
・葵枝(母親)の名前に含まれる
・鬼舞辻が探している青い彼岸花
・鬼殺隊が結界などに用いている藤の花
このあたりが候補かなと思って画像検索をしたところ、藤の花が一番近いかなと思ったのですが……

無題2

吾峠先生の描く藤の花と葉とは違うような気が……。
もうちょっと考えたいんですが、紋様については保留にして次の話をします。


〇鬼舞辻と禰豆子

鬼舞辻によって生み出された鬼は、逃れられない"呪い"にかかっています。
箇条書きすると

・体内に残留する鬼舞辻の細胞に肉体を破壊される
・鬼舞辻の名前を呼ぶと殺される
・場所を把握される
・姿が見える距離なら全ての思考を読まれる

判明しているのは以上です。
ただ、何らかの手段で外せる=解除できることが"呪い"の大きな特徴です。
珠世は「私の体を随分弄っていますから鬼舞辻の呪いも外しています」と言っています。
また、作者のモノローグによって、禰豆子も自力で"呪い"外していることが判明しています(6巻52話)。

鬼舞辻が禰豆子に言及したのは今のところ、堕姫(上弦の陸)と会話をした時のみです。
「私の支配から逃れた鬼がいる」と(10巻83話)。

あと、重要なポイントとして13話(2巻)で炭治郎に捕捉された際に、鬼舞辻は他ならぬ自身が禰豆子とニアミスしています
しかし、炭治郎が鬼舞辻の匂いを感知できるくらいの距離なのに、鬼舞辻は禰豆子に気づいていません。また、この時点で炭治郎を殺すよう命じたものの禰豆子には全く言及していません。
禰豆子が寝ている2年間の間に"呪い"を外したということなんでしょうか。


〇炭治郎・禰豆子の母親は鬼?

10巻で疑惑の回想シーンが登場しました。

幼い禰豆子が母親(葵枝)にこう問います。
「お兄ちゃんのお目々が赤いのは おなかの中にいた時に おかあさんが赤い木の実を食べたから?」

IMG_E6137

あやしい……!

先ほど、禰豆子に浮かんだ葉の紋様について途中で話を切ったのはこのためです。
個人的な予想としては、禰豆子に浮かんだ葉の紋様は「赤い実の葉」なのでは?ということでした。
植物に詳しい人は、この実では?という予想まで出来そうで、知識不足が悔しいです。
ちなみに、軽く調べたところ「鬼縛り」という名前の植物が赤い実を付けるそうですが関係あるのでしょうか。

葵枝が鬼なのか?と疑ってしまうシーンは、読み返したところ、もう1か所ありました。

IMG_E6140

12話(2巻)で「冷静になれ俺よ」の鬼が「分けられた血の量が多い」と推測していました。
一方、14話(2巻)で鬼舞辻が人間の女性に血を分け与えた際、鬼にはならずに死んでしまいました。
その時、鬼舞辻は「私の血を大量に与え続けるとどうなると思う?人間の身体は変貌の速度に耐えきれず細胞が壊れる」と言いました。
そもそも、鬼舞辻の血を分け与えられるには、彼自身に認められないといけないはずです。
鬼になりたての禰豆子が、何の理由もなく鬼舞辻に大量の血を分けられたとは考えられません。

禰豆子を鬼にしたのは誰なのか……?と考えてしまいます。

あと、細かい点として葵枝が亡くなっている所だけ着物がいつも違うのも何だか気になってしまいました。寝間着?


〇竈門家を襲った鬼は本当に鬼舞辻なのか?

まとめです。
色々書いてきましたが、自分が一番気になっているのは1話の真相です。
鬼舞辻が竈門家を襲ったならそう描けばいいのに、まだ確定情報が出ないのがどうも気になります。

11話(2巻)で鱗滝が炭治郎に語ったのは「人間を鬼に変えられる血を持つ鬼はこの世にただ一体のみ」ということであり、鬼舞辻無惨が竈門家を襲った鬼だと断言しました。
……が、物語が進むにつれて状況が徐々に変わってきたように思います。
というか、読み返していて思ったのですが鱗滝さんの情報が古いというか、意図的に誤って伝えているのではと疑いたくなってしまいました。
仮面の下に目が6個あったらどうしよう

話を戻します。
鬼の増やし方は鬼舞辻が生み出す以外に、作中で確定した描写が1つ、疑わしい描写が1つあります。
【確定】珠世の研究によって鬼となった愈史郎
【疑惑】上弦は自分の血によって鬼を増やせる?
 → 63話、64話(8巻)の猗窩座の発言と、11巻以降でも別の登場人物による言及あり

組織のトップとしては最低ですが、ボスとしてはかなり魅力がある鬼舞辻無惨が、竈門家襲撃に関わっているとしたら不手際が多すぎると思うんですよね。
誰か別の鬼が犯人なのでは、と思わずにはいられないのでした。

最後に。

IMG_E6218

82話(10巻)での1話の回想、禰豆子の視点だったら嫌ですね……。
(1話で炭治郎が「口や手に血はついていなかった」とは言っていますが。

長く書いたわりに全然まとまらなかったんですが、20巻くらいまで出た時に自分で読み返して何か思うところがあったらいいかなと。
最後まで読んでくださった方はありがとうございます。





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2017年03月08日

「鬼滅の刃」 表紙の法則性を考えてみる



6巻以降の内容を少し含みます。ご注意ください

「鬼滅の刃」5巻が発売しました。
表紙を飾るのは、主人公・炭治郎の運命を大きく変えた鬼殺隊の剣士・冨岡義勇です。
これまでの4冊には必ず炭治郎がいたので、主人公を差し置いての単独表紙がかなり意外でした。
何でかというと、炭治郎も今までは4巻に負けないくらい活躍してるんですよね。
ヒノカミ神楽の呼吸によって「十二鬼月」の一角を担う鬼・累を追い詰めたくらいです。

一方、表紙を飾った義勇は「柱」と呼ばれる特別な剣士であることが判明し、
伊之助が手も足も出なかった巨躯の鬼と、炭治郎が覚醒しても倒せなかった累を瞬殺しました。
1話で出てきた義勇の再登場が最高の形であったのは言うまでもないんですが、
それでもやはり単独で表紙を飾るほどか!?炭治郎も頑張ったじゃないか!
もしくは同じ柱の胡蝶しのぶと2人の表紙でもよかったのでは?などと思いながら既刊の表紙も眺めていると、法則性に気付きました。




1巻は炭治郎と禰豆子です。



2巻は炭治郎と、ラスボスの鬼舞辻無惨です。



3巻は炭治郎と、同時期に鬼殺隊に新たに入隊した剣士・吾妻善逸です。



 4巻は炭治郎と、これまた同じく同期の鬼殺隊剣士・嘴平伊之助です。

 見てわかる通り「炭治郎ともう1名」の2人が表紙を飾っています。
が、もうちょっと深読みすると、「炭治郎ともう1人の関係性がわかる表紙」なのでは!?と思い至るようになりました。 
再度、表紙画像を貼っていきます。
(アマゾンリンクを何回も貼って申し訳ありません。当サイトはアフィリエイトを全くやっていませんので、ご了承ください。)






「鬼滅の刃」は、炭治郎の家族が鬼(鬼舞辻無惨)によって惨殺されるところから物語が始まります。その中で唯一生き残った妹の禰豆子は鬼と化してしまい、妹の手で炭治郎は命を落としかけますが、冨岡義勇との出会いによって兄妹の運命は死から救われることになります。
鬼殺隊の剣士になる決意をした炭治郎は、禰豆子を人間に戻す方法を探しながら鬼との戦いに身を投じていくことになり--
ということで、「禰豆子を守りながら戦う炭治郎の図」です。
が、1話の内容を踏まえると「鬼と化した禰豆子が人間(炭治郎)を襲う図」にも見えないでしょうか。

2巻以降も炭治郎の視点と、もう1人の視点の両方がわかる凄い表紙になっているので見ていきましょう。



2巻で炭治郎は早くも、自分の家族を殺した鬼舞辻無惨と直接対峙することになります。
鬼舞辻にとっては炭治郎は、ただの新人の鬼殺隊の剣士くらいのものかなと思いきや、どうやらそうではないようです。炭治郎の耳飾りを見て、命の危機を感じた過去を思い出したような描写があります。
また、6巻以降で判明しますが、鬼殺隊の中でも最強とされる「柱」の面々ですら鬼舞辻に遭遇した者はいないのです。
2巻は、炭治郎が鬼舞辻を絶対に斬るという意思と、
鬼舞辻の視点では、自分をかつて追い詰めた日輪の耳飾りの剣士が迫っていることが伝わる構図になっているのではないでしょうか。



3巻で炭治郎は共に入隊試験を突破した善逸と遭遇をし、共に鬼と戦うことになります。
善逸は戦いをとにかく避けようとしたり、初対面では炭治郎から軽蔑されたりもしますが、禰豆子(の入った箱)を命がけで守ったり、本当は強いことが炭治郎には伝わっていたり、と出会ったばかりでも信頼関係が生まれています。
3巻の表紙は炭治郎から善逸への信頼(振り返ると居てくれる)と、自分に自信が無い善逸にとっては「少し前を歩いている炭治郎」という関係性が伝わる構図なのかな、と思いました。



4巻では、3巻で鬼との戦いに乱入するように登場した伊之助が、炭治郎の性格のせいもあってか半ば強制的に仲間になります。しかし、善逸をボコボコにしたり、炭治郎とも戦ったりと、決して良い登場の仕方ではありませんでした。そんな伊之助なので、こんな表紙になっています(雑)。
炭治郎、善逸、伊之助は同期ですが、3巻の表紙とはまた違った同期の関係性がわかるのが4巻なのかなと思います。細かい所だと、伊之助は手を出している(襟を掴んでいる)のに、炭治郎は拳で威嚇するに留まっているわずかな違いがとても良いですね。
(恥ずかしい話ですが、まだこの作品にハマりきっていない頃に本誌で伊之助の初登場エピソードを読んでいた時は誰が敵なのか全然わかっていませんでした)

ということで、 「鬼滅の刃」の表紙は主人公・炭治郎と一緒に描かれた人物との、双方向の関係性がわかる絵になっている、と考えました。
なので、5巻の表紙を冨岡義勇が単独で飾ることにも意味があると考えます。



炭治郎が死力を尽くしてなお勝利することが叶わなかった十二鬼月・累を瞬殺した義勇は、炭治郎にとっては並び立つことすら許されないほど遠い人物だと考えられませんか?
同じように、義勇にとっても炭治郎はまだ「俺が来るまでよく堪えた」と評するくらいの強さしかないわけで、(禰豆子のこともあって気にかけてはいるけど)刀を手にした鬼殺隊の剣士としては、義勇から見た炭治郎の力量は眼中に入らない程度なのではないでしょうか。

炭治郎と義勇の関係を考えると、5巻もまた法則性によって描かれたすごい表紙なのでは、という気づきを共有したいための更新でした。
あと、この5巻によって2巻の表紙がまた1つ味わい深くなるんですよね。鬼舞辻がどれだけ炭治郎(=自分に近づいてきた人間)を恐れているのかという、ラスボスらしからぬ壊れた精神構造が見えた気がして、鬼舞辻という人物が気にならずにはいられなくなりました。


「BLEACH」の表紙が人物単独で描かれていたのがとても好きなので、6巻以降も法則性のある表紙が見たいんですが、6巻以降に全く全然違う意図の表紙が来たら笑ってやってください。

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2016年07月27日

「BLEACH」 ユーハバッハに鏡花水月が効いた理由を考えてみた



「BLEACH」が終わろうとしています。
73巻巻末の次号予告によると、74巻で終わるとのことで物語は今まさにクライマックスを迎えています。
未来を改変することができるラスボス・ユーハバッハを前に、
かつて一護の心を砕いた月島が、今度は一護の砕けた心を救い、
かつて死闘を繰り広げた藍染と共闘するというものすごく熱い展開です。

そんな中、藍染の斬魄刀「鏡花水月」の能力・完全催眠がユーハバッハに効きました。

無題

ユーハバッハに一泡吹かせてやったぞ、とでも言うような笑みを浮かべる藍染が滅茶苦茶格好良いです。
しかし、「全知全能」によって未来が視えるどころか、自身の有利なように未来を改変できる力すら持つユーハバッハに「鏡花水月」の能力が効いた理由が一読しただけでは落ちてこなかったのですが、少し悩むと自分なりの答えが見つかったので書いてみます。

前提として「ユーハバッハは完全催眠にかかった状態で「全知全能」を使用した」という説を採っています。


①「特記戦力」としての藍染惣右介


理由は2つあり、答えを一言で表すと「霊圧」になります。

1つ目は藍染が、ユーハバッハの認める「特記戦力」だということです。
霊圧だけを切り取ればユーハバッハの知る死神の中で最高なので、
鏡花水月の完全催眠が効いてもおかしくないというわけです。

補足的に、そもそも霊圧の高さが何なのか?という話をしておきます。
かつて砕蜂の斬魄刀・雀蜂の「弐撃決殺」が藍染に効かなかったことがありました。

無題

「霊圧で全て抑え込んでみせる」と言っているように、
どんなに特殊な能力であっても霊圧の差が大きければそもそも効かない、ということを藍染自身が証明しています。

それと、最終章序盤の尸魂界侵攻時にユーハバッハは藍染に会い、そこで「時間の感覚をわずかに狂わされて」います。
「全知全能」を使用していない素の状態とはいえ、ユーハバッハに藍染の能力が効くのは証明されているので、描写に矛盾がないことも付け加えておきます。


②一護、恋次、藍染の霊圧の質


もう一つ、一護の「虚」「滅却師」の力が奪われてしまっており、
一護、恋次、藍染の霊圧の質が全て「純粋な死神」のもので統一されているのも完全催眠が効いた理由として考えられそうです。
鏡花水月の詳細はで把握しきれていませんが、誤認させる対象によってかかってくる力も違うはずなので、ユーハバッハが一護から力を奪ってしまったゆえに、自身が完全催眠にかかるピースを揃えてしまったのかもしれません。


○完全催眠は効いたけど……

ただ、疑問や不安が残ります。

まずは「純粋な死神力しか持たない一護の放った月牙天衝」がユーハバッハに効くか?というのは疑問なので、完全催眠はせっかく効いたのに必殺の一撃が効かないというのはありそうです。
滅却師の天敵である虚の力が加わった一撃なら確実に終わっていたと思うので、ものすごいバランスで物語が成り立っているなと改めて思うのでした。

不安な点としては、ユーハバッハは完全催眠をあえて受けた=藍染をぬか喜びさせるために芝居を打った可能性がある、
なんでかというと―

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かつて自分が隊長格と集団戦をした時(45巻)に似すぎているんです。
この時は、日番谷の一撃が決まって次回へ続き、次回で「完全催眠が効いていて藍染に攻撃が届いていなかった」という事実が明かされます。
今回、一護もユーハバッハを後ろから刺しています。
(一護が後ろから敵を刺したのも1つの考えるポイントとして面白いのですが今回の内容と違うので触れません)

久保先生が遊びを入れて描いてくれただけならいいですけど、
ユーハバッハが遊びを入れて戦っていたなら最悪です……。

あと、過去描写のオマージュとしては、市丸ギンを殺した時の藍染がちょうど左腕を切り落として、胸を刺しています。
藍染も同じ状況になっているのが皮肉というか何というか……。

ギンの言葉を借りるなら「胸に孔が空いて死ぬんや 本望ですやろ」という所でしょうか。
藍染が本当に嬉しそうな顔をしているので、ここで死ぬのは本望だと思っていそうですが、
願わくは完全催眠が本当に効いていてほしいものです。

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2015年02月14日

「戦国妖狐」 迅火を救うヒントが「散人左道」にあるかも、という話

戦国妖狐 14 (BLADE COMICS)
水上 悟志
マッグガーデン
2015-02-10





道錬が表紙の「戦国妖狐」14巻が発売しました。
千夜青年編が始まってから5冊目にして、道錬が2回目の表紙を飾っています。
1回目の12巻はムドがメインとはいえ、青年編単体では千夜がまだ1回しか表紙に出てきていないので、主人公を超えてしまいました。
VS神雲の結末といい、運命力が強すぎます。

水上作品に出てくる「運命力」という概念については
「惑星のさみだれ」 「願い事」と運命の強さの話
「惑星のさみだれ」 "ライバル"東雲三日月について
この辺を読めば何となくわかるような感じがします。
あと、「戦国妖狐」でも12巻の1話目で少し補強されているので、水上先生の作品ファンなら何となく理解できている概念かと思います。


「スピリットサークル」と内容が上手く分かれてバトルに特化していることや灼岩の救済など色々語りたい内容がある14巻ですが、
今回触れるのは、ヒロイン・月湖の戦闘シーンです。

033

黒月斎から授かった呪具が披露された一連のシーンの1コマ。
月湖が披露した戦い方は、呪具のひょうたんで闇(かたわら)の力を呪符で吸い取る、というものです。
こうすることで殺さずに無力化できると。

ちなみに、吸収した力はマントの呪符を伝って地面に流すようです。
(ひょうたんで吸収して溜めるとすぐ割れてしまうんでしょうか。)
そして、流れた力は地面に植物を生やすほどの生命力がある、と。

そういえば、黒月斎のひょうたんが千本妖孤を救う鍵になると言われていました。

029

つまり、月湖の戦い方に何らかのヒントがあるという考え方ができます。
力を入れ物に封じて、残った力は植物になる……
と、ここで気が付いたことが1つありました。
何か見た事あるぞ、と。

水上先生の初連載「散人左道」でラスボス・無限を封印したシーンがそれでした。
無限の首を撥ねた主人公・左道は…

030

力の入れ物(まねき猫)に無限の本体(?)である頭部を封印します。
(一応、月湖と同じでマントを介しています)

無限の残った身体は…

032



031

大木になりました。

月湖の戦い方と似ている気がします。
敵の力を入れ物を使って分ける、という点はまんまです。
月湖が呪符のびっしり張られたマントを装備したのと、フブキの最終形態がマント(黒布という呪具)を装備しているのも似ています。
(闇の力が大地に流れると植物が生えるのと、無限の残りカスが大木になったのは月湖と左道の戦い方云々というよりは、そういう基本設定のように思えるので、ここで関連付けるのは若干こじつけくさいですが)

「散人左道」の主人公・フブキは左道黒月真君の称号を継いでおり、
「戦国妖孤」で黒月斎が月湖に教えた戦い方は「左道(ズル」と自称しています。
やはり初代の左道黒月真君は月湖なんでしょうか。

ちなみに、どちらも相手を殺していません。
無限と千本妖孤の霊力差は比較にならないレベルですが、「散人左道」の描写を見るに月湖の戦法は大物にも使える可能性があると思う事にしました。
なので、千本妖孤の救い方はフブキがやった方法に近いものんじゃないかと14巻を読んで何となく思ったという話でした。


「散人左道」には山戸家という名前が出てきたり、「左道」と設定が完全にリンクしていることが「百鬼町」シリーズ(短編集に載っています)に風祭家と雷堂家がいたり、「戦国妖狐」に「左道」の斉天大聖らしいのが出ていたり、月湖の短刀が「百鬼町」のあらじさんの射叫だと予想されていたり、etc……
「戦国妖狐」が「左道」「百鬼町」シリーズのルーツになっているのは間違いないと思うのですが、ここにきてまた1つ繋がりが生まれた(気がする)ことに嬉しくなりました。




3冊の短編集で一番好きです。

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2015年02月08日

「七つの大罪」 アーサーは第2部の主人公…?

アニメ「七つの大罪」が毎週日曜日の楽しみです。

原作漫画の作者・鈴木央先生が週刊少年ジャンプで連載していた「Ultra Red」がジャンプ作品の中で未だにベスト5に入るくらい好きなので、4大週刊少年誌を渡り歩いた最後に大ヒット作品が生まれ、そのアニメをファンとして楽しめているということを「Ultra Red」が大好きで打ち切りに怒り震えた当時の自分に教えてあげたいです。(教えてどうする)

登場に改変があったので、原作ゴウセル好きの人はどう思ったのかな、というのと、技名の表示が残念な感じなこと以外は本当に素晴らしいアニメだな、と思って見ています。
恥ずかしい話ですが、アニメでディアンヌの可愛さに気付きました。

アニメ最新話で新キャラクターのアーサー・ペンドラゴンが登場し、素顔を晒しました。

ここからは原作の話になります。
アーサーは8巻のラストに登場し、9巻でアニメと同じように素顔を晒しました。
彼は、主人公・メリオダスが大ボス・ヘンドリクセンの勢力と戦っている最中に突如現れます。
キャメロットという国の王であり、リオネスの混乱を納める為に力を貸す、と言って最終決戦とも言っていい舞台に突如参戦をしました。
(説明の順番が前後しますが、今まで物語はリオネスという国が中心に進んでいました。)

021

アーサーはメリオダス達・七つの大罪をリスペクトしており、主人公サイドに立って戦うのですが、なんとメリオダスよりも先にヘンドリクセンと遭遇して、けっこういい勝負をしてしまいます。
残念ながら劣勢でメリオダスに交代してしまうものの、魔力を扱うことができず剣のみで戦った結果というのだから驚きです。
本人いわく「ヘンドリクセンほどの相手と戦って窮地に追い込まれれば『魔力』が目覚めると期待したが上手くいかなかった」とのこと。
さらに言うと、誰も抜くことができなかった剣を抜いて王に選ばれたという設定も持っていますが、ヘンドリクセンと戦った時に振るっていたのは別の剣です。

……メリオダスの物語に突如現れたにしては活躍しすぎています。
アーサーの活躍を見た時の率直な感想は「いずれ連載する予定がある別作品の主人公かな?」でした。

あと、今さら気付いたのですが、
メリオダスたち七つの大罪とヒロイン・エリザベス以外で唯一、表紙のメインを飾っています。

七つの大罪(10) (講談社コミックス)




活躍の度合いで言えば、10巻の表紙はキング(とディアンヌ)になりそうなものです。
また、アーサーが表紙になれるなら、11巻(表紙でのネタバレを避けるなら12巻)はギルサンダーでもいいはずです。
(11巻は短編集と同時発売だったので構図を合わせているというのはわかりますが)

まとめると、アーサー・ペンドラゴンは
①作中での登場タイミングが若干唐突である割に活躍をしている
②ギルサンダーを差し置いて表紙を飾るほどの重要キャラである
③大ボス・ヘンドリクセン以上の強敵と戦えば魔力が解放されるかもしれない

ということになります。

③に該当する強敵といえば、例えば魔人化したメリオダスが当てはまりそうです。
(コミックス派なので最新の展開がどうなっているいるかわかりませんが)
この展開だと第2部の主人公がアーサーになると思えるんですが、どうでしょうか。


もしこうなると水上悟志先生の「戦国妖狐」みたいだな、と。

020
初登場回の顔。こわい

「戦国妖狐」は、2巻で敵として初登場した千夜が7巻から始まる第2部の主人公になります。
が、千夜は主人公になるとは全く思えない登場の仕方をしており、主人公サイドのメインキャラに「(目を合わせたら)血の川が見えた」と言われるほどでした。

敵勢力の戦闘兵器として育てられたので、千夜はこんな恐ろしい顔をしていますが、1部の途中で人間らしさがほんの少しだけ芽生えます。
主人公になる2部冒頭では戦闘兵器だった頃の記憶を失っており、普通の少年の心を持ちます。
そして、記憶が戻ることで苦悩し、そこでようやく主人公になったという印象があります。

戦国妖狐 10 (コミックブレイド)
水上悟志
マッグガーデン
2013-12-16




立派な主人公になった千夜

水上先生は「魂」のあり方について深く扱う作風なので、千夜は生まれ直して主人公になったとも言える一面があると言えるのではないでしょうか。
千夜は主人公がいなくなった物語に放り込まれて、徐々に主人公になっていったキャラクターかな、という印象です。
(1部の主人公がどうなったかというと、強大な力を得すぎて暫定のラスボスになってしまいました。)


あと、少年漫画で主人公が交代する作品で外せないのは「ジョジョの奇妙な冒険」でしょうか。
8部「ジョジョリオン」まで進んだ今となっては部が変わる=主人公が交代するというのは当たり前のことですが、1部がジョナサン・ジョースターの死をもって終結した、というのは当時それこそ予想がつかない展開だったのではないでしょうか。

「ジョジョ」と「戦国妖狐」は主人公交代が上手くハマったパターンだな、と思えているのと同じように、「七つの大罪」でアーサーが主人公になるとしても変わらない熱量で読めるように物語を追いかけていきたいです。

……これでメリオダス続投だったら大いに笑ってください。

あまりにも気になったので、
七つの大罪 第2部で検索をしてみたところ…
ネタバレ注意)

……当たらずとも遠からず、といったところ?

戦国妖狐 1 (コミックブレイド)
水上悟志
マッグガーデン
2012-10-25


「戦国妖狐」オススメです。今月出る14巻も楽しみです。

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