どらくま

2015年02月10日

「どらくま」 第参話 感想

マッグガーデンの公式サイトで「どらくま」第1話、第2話が無料で読めます!

この記事を偶然読んでいる方は、ぜひ本編を読んでからどうぞ。
前回が第2話の後編だったことに今月号を手に取って初めて気が付きました。
(前回のタイトルはこっそり修正しました)
公式サイトも間違っているので私が間違えたのも仕方がないことです。

過去の感想はこちら

「おまけに半人前じゃ。顔に出すな………」

今回の九喪が格好良すぎます。

戸土野先生がサービス回をやるなんて……と大筋の展開や尻揺れで驚愕しましたが、よく考えたら侍所ポスターの件があったことを思い出しました。
というか、思い出さざるを得ないキャラがゲスト出演していて笑ってしまいました。

028

滝川先輩何やってんスか。


○衣領樹-ステュクス-

恒例のサブタイトルを読解しようのコーナー。

衣領樹は「えりょうじゅ」と読むとのこと。
コトバンクによると三途の川にある大樹のようです。
>姥は亡者の衣服を奪い取り,それを翁が受け取って衣領樹に掛ける
この部分が桜の衣類を剥いだ九喪に掛かっていそうな気もするし、一方で深読みしすぎな気もします。

ステュクスは現世と冥界を分ける大河と、それを司る女神のことだとか。
壱話に続いての冥界の川シリーズですが、アケロンに比べると現世側に寄っているので主人公視点で考えると良い方に向かっているということなんでしょうか(今回は九喪が死にかけなかったし)。
第壱話で死んでしまった姫が渡ろうとしたのは絶対に渡りきれない死の川(アケロン)で、今回の桜はステュクスだったので生き残れたという比較になっているのかもしれないし、川のおかげで(?)生還した桜が女神という解釈もできなくもないかなと。

また、扉絵で「どらくま」のタイトルの意味が明かされました。
前に少し触れた通り、ギリシャの銅貨・ドラクマで合っていたようです。
が、真田家の家紋「六文銭」と掛かっていたのと、冥銭でもあるというのは全く気づきませんでした。
こうなると第壱話の「アケロン」がまた深まる…!
と、感想を書きながら扉絵ページだけで感動に震えてしまったのでした。
というか、そもそも六文銭が「不惜身命」を表しているそうです。凄すぎる。
サブタイトルに冥界の川シリーズが多いのも納得というか、もしかしたらタイトルの法則は「漢字+ギリシャ神話の冥界関連のワード」かもしれません。


○第2のヒロイン・桜

紅葉を無事に生還させ、親元へ送り届けた源四郎と九喪は放浪を続けていた様子。
そこで助けた新たなる人物は桜という名前で、紅葉に続いて季節を感じさせる名前です。
第2の敵・唐墨との戦いは源四郎の里帰りと並行して描かれるようですが、(おそらく)親友・楓を喪った桜の復讐や感情の行き先がメインになっていくんでしょうか。

紅葉とは対照的に元気がいい子なので、そのまま成長していってほしいものです。
くのいちなのにエロいことに耐性が無さそうなのが良いですね。

そして、その耐性の無さでとばっちりを全部引き受けてしまった源四郎。
鳳の城で見せた危うさは陰を潜めて、今回は完全にルッカと化していました。
が、どうやら次回からバックボーンに踏み込んでいくようです。
オジキのヤバさが戸土野作品で上位に位置づけるレベルの凶人だといいなと期待が高まりますが、どうなんでしょう。
最後に登場したのは鈴木忠重という実在の人物のようですが……?

今回の敵・唐墨は弐話感想の最後にちょろっと書いた「悪魔狩り」のバルログ系列の見た目です。
見た目通り強いと嬉しかったのですが、サルトルの腕を持って行った強者のあちらと違って、今月の時点で女の子をを抱えながら戦う九喪に押されている時点でもう終わっている肉なので、何というか……お疲れ様でした。
百鬼の配下のザコの方が頑張ってたよ!

というわけで、最初にも描きましたが九喪の格好良さがハンパじゃないですね!
見開きの表情が最高です。
鳳の城では本調子ではなかったというのが納得の強さというか、強すぎて終始ニタニタしながら読んでいました。


さて、最後になりますが、これは触れておかねばなりません。

大獄丸の霊圧が…消えた……!?

前回までのあらすじの最後に「三人の行く先は……。」と書いてあるのに何をやっているんだお前は。
桜の復讐の話になるとしたら百鬼を殺した彼の言葉が一番説得力を持つ可能性はあるので、次回以降の登場に期待……していいんだよね!?
頑張れ大獄丸!


イレブンソウル 12 (コミックブレイド)
戸土野正内郎
マッグガーデン
2013-04-01


永遠のヒロイン・いおりんに久々に会えた喜びよ…!


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2015年01月18日

「どらくま」 第弐話(後編) 感想

マッグガーデンの公式サイトで「どらくま」第1話、第2話が無料で読めます!

この記事を偶然読んでいる方は、ぜひ本編を読んでからどうぞ。

過去の感想はこちら

「己のハラワタを見る気概の無い者め!!この戦最初から…お前等の負けじゃ!!」

戦い切った熊八じいさん達に合掌。

○百鬼の最期

この死門が見たかったんだよ!
(今回の百面相を見ながら)

顔を見た瞬間にロクな死に方しないなコイツ、と直感したのが見事的中。
城の崩落に巻き込まれて身動きが取れず無抵抗なところを同じくらい強い実力者に殺されるというだけでも可哀想なのに、
無残な死に様すら描いてもらえないというのは予想の斜め上だったので爆笑してしまいました。
(本気の大獄丸と九喪の同時攻撃で身体を三つに割られる、という絵的には格好良いものになるんじゃないかなと思っていました)

並行して、百鬼の軍勢も城と共に全滅するという哀れな最期を迎えました。
金子に目がくらんでしまった時点で敗北は必至でしたが、ここで鳳じいさんズの精神力が何倍にも勝っていたという描写を入れてくれたのは嬉しかったと共に、冒頭ピックアップのセリフには狂気を感じました。

この作戦を見て、源四郎はここで死ぬつもりだったというのは引っかかります。
金に執着するフリをして、生きている目的があるように自分すら偽っているのかな。
瞳孔開いて「戦は勝ちゃいんだよ」とか言っている方が活き活きしているので、やはり本質は武人なのでしょう。

大獄丸は敵討ちに成功したので、ここから伸びてくる奴だと信じています。
(あまり書くことがない)

そしてやはり死にかける九喪。
ここまで来たら完結まで毎月やってほしいですね。で、最終的には生き残ってほしいです。


○新展開への期待

初めて戸土野作品に触れた方は「どらくま」-完-という文字が頭をよぎったかもしれません。
(一気に巻末に転落した、と思われた方へ。戸土野先生の定位置です)

紅葉とは尼寺でお別れになってしまったので
彼女が桃太郎?という説は見事に外れたわけですが、お母さんがとても美しかったのでいいです。
ご高齢のイメージしかなかったので死門の最期よりも驚きました。九喪の野郎……

源四郎の思わせぶりな描写が無ければ私もこれで終わりでもいいな、と思うくらいだったのでちょっと次の展開が想像し辛いのですが、
運良く、設定のベースは予想できているので、
もし的中しているなら、世直しをしながら桃太郎を探しに行く可能性が出てきたのではないでしょうか(捨てろよ)
なんにせよ、次回も楽しみです。


イレブンソウル 3 (コミックブレイド)
戸土野正内郎
マッグガーデン
2012-10-25


死門は伊藤サンにはなれませんでした

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「どらくま」 第弐話(前編) 感想

マッグガーデンの公式サイトで「どらくま」第1話、第2話が無料で読めます!

この記事を偶然読んでいる方は、ぜひ本編を読んでからどうぞ。
何なら、この記事を読まなくていいので本編は読んでください。

第1話感想はこちら

「こんな立派な『城』俺はそうそう見かけないけどね……」

2回連続で引用セリフが源四郎になってしまって、九喪が一番好きなので何故か悔しいです。
シーンでいえば九喪と紅葉の所が一番良かったんですが…!

○申酉戌-サーベラス-

今回のサブタイトルの凄さについてはこちらで詳しく言及しています
簡単にまとめると
・どらくまは「漢字+ギリシャ神話の言葉」で構成されたサブタイトルになりそう
・申=九喪、酉=源四郎、戌=大獄丸
・紅葉が桃太郎、栗の強飯がきびだんご
・鬼が百鬼死門(加えて、申酉戌の方角の逆側にある「鬼門」でもある)
・つまり、どらくまは江戸版「桃太郎」?
こんな感じです。かなり妄想で補っていますが。
第2話のサブタイトルだけでここまで想像が膨らんでしまう今作は戸土野作品最高のスタートダッシュを切っていると確信しています。


○死闘、VS百鬼軍

1話のラストで九喪と大獄丸が格好良く決めてくれたので、早々と百鬼死門の死体が転がるものだと予想していたのですが、思い切り外しました。
普通に大ボス格なんですね。性格の悪いイケメンでちゃんと強い、というのは予想できたことなんですがあまりにストレートすぎて逆に弱いと思っていました。ごめんね死門……

一方で、百鬼の率いる兵は金に目がくらんで城に突撃する奴がいて一枚岩ではないよう。
それを止めようとしない死門も首領としてあまり良い行動ではないと思ったのですが、死門の目的は「姫」の首であり、考えてみれば傭兵の集まりのようなので統率は取れないか、と納得するのでした。
でもこれは「姫」を前にして結束した鳳じいさんズとの対比になっていて、やっぱり死門の死相は消えないのでした。


○本当の名、本当の想い

前回は「いさな姫(仮)」と表記するしかなかった暫定ヒロインが紅葉(くれは)という名だと判明。
加えて、気になっていた「九喪がいた尼寺」「栗の強飯」の要素も2話で回収が完了しました。
こうも簡単に回収されると、今回こそはあまり長くならない連載(の予定)なのではと思ってしまいます。
(それならそれでイノセントブレードの続きやイレブンソウルⅡが読める確率が上がるので悪いことばかりではないのですが)

姫の代わりを務めようと己を殺していた少女の本音は、母親に会いたいという単純な、しかし真っ直ぐな想いであったと。
それを引き出し、戦う決意を新たにする九喪の一連のシーン、とても良いです。
まだ2話ですが若干ウルっときてしまいました。
そんな格好良い九喪ですが、今月も死にかけていたので毎月のノルマなんじゃないかと思い始めています。


○読めない男・真田源四郎

軍師としてかなり優秀でありながら、一方で真田家とは確執があり、今回の作戦の肝となる部分を「本当なら俺が引き受けるはずだった」=死ぬ覚悟もしている、と普段は軽い人間を演じている源四郎が一番色々と抱えていそうです。
紅葉に気持ちをぶつけて心を開くことができた九喪はもちろん、表面的に死にたがっている大獄丸よりも深刻に見えるので、彼の背景が描かれるのが楽しみでもあり恐ろしくもあります。
本物の源四郎と入れ替って大阪で死ねなかった真田幸村だったりしないだろうか。


大獄丸はもうちょっと頑張れ(雑)




その辺のザコかと思ったらボス格だった戸土野キャラクターといえば「悪魔狩り」のバルログだと思うのですがどうでしょう。
気になる方は「悪魔狩り」を読みましょう!

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2015年01月13日

「どらくま」が江戸版「桃太郎」だと提唱してみる







 マッグガーデンの公式サイトで2話まで無料で読めるので、読んだ後にこの記事を読むことを推奨します

戸土野正内郎先生の新作「どらくま」が面白いです。
この記事を書いている時点で3話が載っているコミックガーデンが発売していますが、2話の感想を書いていないので読めません。頑張ります。

そんなこんなで2話の感想を書くにあたり、サブタイトルの意味を考えてみようとしました。
2話のサブタイトルは「申酉戌(サーベラス)」
サーベラスというと、PS2の某ロボットゲームの主人公機で、PS3の新作で再登場した時は思い入れが強くて一番使い込んだ思い出があります……が、当然それとは別物です。
しかし、元ネタは一緒のようです。ギリシャ神話のケルベロスを英語読みするとサーベラスとのこと。
ここで1話のサブタイトル「アケロン」を思い出します。
なるほど。
今回の「どらくま」は漢字+ギリシャ神話のワードがサブタイトルに使われるのかな、という予想ができます。

それだけだと2話の感想に盛り込んでしまえたのですが、もう1つの「申酉戌」を調べてしまうと、こうして単発で記事にせざるを得ないんです。

申・酉・戌はご存じの通り、十二支です。
鬼門(よくない方角)を表す「丑寅」のように、「申酉戌」も3匹がセットになることで方角を表しているようで、
(ウィキペディアで)少し調べたところ、ちょうど例に出した「丑寅」=鬼門の逆とする説があるようです。
ちなみに、今回の敵ボスの名前は「百」と言います。
あと、五行の「金」に成る方角だそうで、お金大好きな源四郎にピッタリですね。

で、ボーっとしながら「この組み合わせって桃太郎のお供だし、今回の主人公は3人だな」と思ったのです。
前者については調べたらその通りで、鬼門の逆なのでお供に選んだという説も見かけました。

そして後者です。これは本当に驚きました。
まず、申=サルは九喪で間違いありません。作中でも明言されています。
次いで犬=イヌは大獄丸でいいのではないかと。雇われ兵(≒犬)のようだし、獄の字に犬が入っています(どちらもやや苦しい)。
そうなると、残った酉=トリが源四郎になります
率直に疑問でした。源四郎が鳥か?と。しかし、諦めずに考えてみました。
何かヒントがあるとしたら、彼だけ「真田」という苗字を持っている点では? ⇒ となると家紋か!と思い、調べてみたら真田家の家紋に鳥がいました
ウィキペデディアのこの辺を見ると書いてあります)
一番有名な家紋ではないようなので、鳥が描かれている家紋もあるくらいのレベルですが、こうなると源四郎を鳥と考えていいんじゃないでしょうか。

そして、肝心の桃太郎は、いさな姫(仮)になるのでしょう。
きびだんごの代わりは栗の強飯でいいでしょう
2話で彼女の本当の名前は「紅葉(くれは)」だと判明します。
ここまで来ると、詰め込みすぎですよ戸土野先生!と叫びたくなるくらいですが、
「申酉戌」は秋を表す方角だそうです。秋の方角を表す3人が守ろうとしているのが紅葉
……いやいや、できすぎですよ!

ということで、
どらくま」は名前などの設定で「桃太郎」をベースにしているのかも、という与太話でした。
(じいさんしかいないけど)
百鬼を倒した後は、江戸中にいる鬼の名を持つ漢たちを退治する話になるのかもしれません。

余談ですが、気になっている「どらくま」というタイトル、
ギリシャの古い通貨に「ドラクマ」というものがあるらしいです。
ここでも徹底してギリシャ登場ですか。本当に凄いです、戸土野先生。
こうなると源四郎が真・主人公なのでしょうか。真田だけに(台無し)

天叢雲 (BLADE COMICS)
風庭ルスイ
マッグガーデン
2010-02-10


和風・戸土野作品の原点?

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2014年12月02日

「どらくま」 第壱話 感想




マッグガーデンの公式サイトで「どらくま」第1話が無料で読めます!

この記事を偶然読んでいる方は、ぜひ本編を読んでからどうぞ。
何なら、この記事を読まなくていいので本編は読んでください。


「勝っちまおう 名前も知らないあの子のために……」


戸土野正内郎先生の新連載「どらくま」が月刊コミックガーデンでついに始まりました。
「イレブンソウル」完結から新作を待ちわびていたので、雑誌の連載で追いかけます。できれば、完結まで1話ずつ感想を書いていきたいところです。

○戦国の世の終わり

「どらくま」の舞台は、戦国時代が終わり、徳川によって日本が治められて間もなくの頃。
ということで、「悪魔狩り」「イレブンソウル」とは違って、作品世界が完全な創作ではないということで、史実をどう絡ませてくるか楽しみです。
と言っても、学校で習った程度の知識しか無く、それもほとんど忘れてしまったのですが……。
ラスボスが魔人徳川家康とかそんな感じだと予想しておきます(雑すぎる)。


○不惜身命-アケロン-

第1話のサブタイトルは上記のものです。
今回もサブタイトルがイレブンソウル方式(最低でもダブルミーニング)のようで、これは考えるのが楽しいです。
「不惜身命(ふしゃくしんみょう)」は四字熟語だそうで、国や君主の為に身体や命を惜しまないこと、という意味らしいです。
(大獄丸か、いさな姫(仮)のことを上手く表しているよくできた造語だな、と思ったのは秘密。)
もう1つのアケロンは(聖闘士星矢で何となく知っていましたが)、生者の魂が渡る冥府の川のことだそうで。川で何人か死んでいたので、そのことでしょうか。
……絶対に違うんでしょうけど、上手くハマっている描写を見つけられませんでした。
あ!徳川を川と見立てて、刃向う物は冥府の川を既に渡っているよ、というのはどうでしょう。で、九喪や源四郎は逆にその川を渡ってくる、的な。
うん、駄目だなこれは。

対義語に可惜身命(あたらしんみょう)という言葉があるそうで、第1部の最終話かどこかで使われるんでしょう(イレブンソウル脳)。


○これぞ戸土野作品!

さっそく1話から展開もキャラクター同士も裏切りが連続で起きていて、戸土野作品を読んでいる!と実感できました。
加えて、作画、作劇の緩急の付け方は更に磨かれた感じがします。
(前作はロボット対巨大生物だったので、画面が大味になっている所もあったのかもしれませんが。)
ページをめくったら突然刺されていたり、内臓をぶちまけて死んでいるのは心臓に悪いですけど、戸土野先生の間の取り方は大好きです。

読み返すと、いさな姫(本物)と(仮)のトリックがちゃんとわかるようになっていたりと、やはりスルメ漫画だなと。
それと、展開の裏切りだと、刑部が憤死する流れは、刺されて終わりでいいのにそこまでやるか!とニヤリとしたし、亮介くんを思い出しました。彼は結局どうなったんだろう…。

あと、刺されたら強者でもちゃんと痛がったり叫んだりするのを見ると、これまた「これは戸土野作品だ!」と嬉しくなります。(乃木さんが「ぶふぉ!」とか言うのも人間らしくて大好きです)

それはそうと、じいさんズの名前に「五」「六」「八」が入っていて1個のコマで名前を呼び合っているのはファンサービスなんでしょうか。


○主人公①・真田源四郎


前作「イレブンソウル」の最終話1話手前で消えた真田隊長、実は「どらくま」の世界にタイムスリップしていたんですね。
しかも、15巻の特典ペーパーで描かれていた通り、ルッカの属性を付加しての大出世です。
……そんなわけあるか。
(もしかしなくても、先祖ではありそうですが。)
こいつだけ1話であんまり戦っていないのは流石、真田の名を持つ男…!という感じですが、今回引用した一番シビれた台詞は彼のものなんですよね。くそう、ニクいなー。もう好きになりました。
冒頭の九喪との対決を見るに、かなりの実力者のようですし。
刀も差していますが、得物は槍のようです。2話では振るってくれることを期待しています。
どうか今度は消えませんように。


○主人公②・九喪

顔はサルみたいだけどクモ!1話で死にかけたクモ!とずっと言われそうなクモ!!
本名は何なんだろう、など気になるところがかなりあるキャラクターです。
いさな姫(仮)の正体を見抜いているような描写(忍び込んだ時に見たのかもしれないけど)や、療養した寺で何かしていた、というのが先の展開を匂わせてくれているので、彼を追っていけばストーリーの方向性が見えてくるのかな、という気がします。
三人の中で一番活きた表情をしているな、という所で既に魅力を感じるんですが(ニヤリとした笑みが素敵です)、
蜘蛛の模様の様な腕の傷が、自分で彫ったものではなく蜘蛛のような鞭?を操れるようになる為の修行で付いた傷だとしたら、もうコイツの事は最終回まで大好きです。

無駄な深読みをすると、栗の強飯に何らかのエピソードがあると見た。


○主人公③・大獄丸

石川将補復活!と思ったのは私だけではないはず。
……しかし、主人公なんだろうか。メインキャラでも容赦なく死ぬ戸土野作品で、1話の時点から死にたがっている主人公なんて嫌だぞ。
というわけで、何かあんまり書くことがない大獄丸なのでした。
彼だけは今回の主戦城である鳳と深い関わりがあるので、背景が一番早く判明しそうです。そうなると来月には好きになって、前回全然何も書けなくてごめんなさい、と言う可能性が高い……。
得物は鉄の棒で、今回既に力自慢の兵を2体瞬殺しているので、実力としては源四郎と九喪に並ぶくらいなのでしょうか。
実力も性格も今後深められていくだろうから、今後が楽しみという意味では期待大のキャラです。


○第2話と、今後の展開は?

いさな姫(仮)がそのままヒロインポジションに収まるの?とか、
じいさんズは置き去りになっちゃうの?とか、
色々と気になるすぎるくらい気になります。
が、まだ来月もプロローグでしょうし、まだ全容が見えないので、予想をしても仕方ないことです。

しかし、百鬼死門は100%間違いなく無残に死ぬな、というのはわかります。
死門とかいう洒落た名前のくせに、もう死相が見えます。
イケメンなので仲間になる可能性もある顔ですが、出る作品を間違えたな、という感じ。もうおしまいです。
戸土野作品のイキイキしたクズは例外なく可哀想な死に方をするので、1話からすごい勢いで死に向かう彼の姿に、ひとコマごとに悲しみが募りました。
あとアタマがでかいので、私の中ではすっかりオモシロい人になっています。
主人公三人の三方向同時攻撃で四散してもおかしくないくらいのスペックはありますよね。

あと、世界設定と絡めて、挑戦しているなと思ったことが1つあります。
戸土野先生の得意とする士(さむらい)が沢山いて、主人公が三人もいるというのに、誰一人として刀をメインに使いそうにないんですよね。
刀でチャンバラする作品かと思いきや、槍に鞭に鉄棒ですよ。
いっそのこと、いさな姫(仮)が剣豪になってもいいんじゃないでしょうか。刀での戦闘も戸土野先生の作画なら毎月見たいです。

最後になりますが、着地点もちょっとだけ考えてみます。
「イレブンソウル」の武道(たけちーと呼びたい)は生きる目的がはっきりとありました。
また、「悪魔狩り」のミカエルは、ラスボスのガブリエルから「何のために生きているの?」と物語の重要な場面で問われていました。
そして、この「どらくま」では扉絵のアオリで「その命……誰のため?」と(気の抜けるフォントで)書かれています。
戸土野作品は、主人公が生きる目的を見つけ、完遂する作品だと思い込んでいます。なので、今回も源四郎、九喪、大獄丸の生きる意味のようなものはしっかり描かれるのかなと。
三人とも傭兵のようなものなので、誰のため、何の為に生きているかというのは大人になった今でも意外と自覚できていない可能性もありそうですし。
こう考えると、三人それぞれが誰の為に「不惜身命」なのか、という話になっていくんでしょうかね。


12月までアップできなかった割にまとまりがありませんが、第1話感想はこんな感じで終わります。


イレブンソウル 1 コミックブレイド
戸土野正内郎
マッグガーデン
2012-10-25


前作「イレブンソウル」もぜひ!


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